電子書籍端末(リーダー)の選び方 表示機能編

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AmazonのKindleで本格化した電子書籍だが、Amazonは英語コンテンツを中心に展開し、事実上日本語の書籍はなく、一部アップルのiPadなどにコンテンツが提供されたり、従来型携帯電話は漫画などが提供されるのみだった。
2010年の年末に来て、ソニーのReader(リーダー)やシャープのGALAPAGOS用のメディアタブレットなど、日本語にも対応する本格的な電子書籍用端末が続々と登場している。

Kindleなどを既に所有している方も多いと思うが、Amazonがいつ日本向けのサービスを開始するかわからない中、日本の本格的なサービスを受けられる端末は興味深いところだ。
読書好きには、紙の本はともかくとして、電子書籍を体験してみたい、購入してみようかなと思っている方もいるだろう。

電子書籍端末とは

現在の電子書籍端末といわれる製品、それに近い製品をいくつかピックアップすると次のようになる。

Amazon Kindle
Barnes & Noble NOOK
シャープ GALAPAGOS メディアタブレット
ソニー Reader
Apple iPad
Samsung Galaxy Tab
各種スマートフォン

この中で、Appleは自社の書籍サービスを開始しているが、iPad自体は純粋な電子書籍端末とは言えない。Galaxy Tabもどちらかといえば大きめなAndroid端末で純粋な電子書籍端末ではないだろう。スマートフォンも同様だ。

シャープのメディアタブレットは将来、iPadの様な多機能端末を目指しているようだが、現在の所、電子書籍端末と言えるだろう。
B&NのNOOKはカラー版を投入し多機能端末になろうとしているが、電子書籍端末と言えるだろう。

AmazonのKindleとソニーのReaderは、将来も文字表示が主となる純粋な電子書籍端末といっても問題ないだろう。

ここで純粋な電子書籍端末と分類した製品は、E Ink(イーインク)などの電子インク使用デバイスである。電子インクはカラーの発色、表示速度などに問題があり、まだ文字をじっくりと読むような端末にしか向いていない。
一方、液晶(有機EL含む)を採用した製品はカラー表示などが可能だが、高速な表示性能などもあり、動画なども表示可能な多機能端末に使用可能だ。

液晶などを採用した端末は、その機能を生かすべく、どうしても電子書籍端末にも使える多機能端末になってしまう。
電子インクを採用したデバイスは書き換えが遅いなどの欠点はある物の、文字表示が主体の電子書籍端末には問題ない。

液晶と電子インクの利点と欠点

液晶と電子インクの利点・欠点を比較するとこのようになる。

電子インク液晶など
カラー難しい(高価)問題ない
書き換え速度遅い非常に速い
発色良くない良い
消費電力非常に低い高い
太陽光下での視認性問題ない悪い
暗所での視認性見えない問題ない

この比較で注目なのは、消費電力と太陽光下での視認性である。

液晶を使用した端末は10時間程度動作する物もあるが、どれもフルに使用した場合、何とか1日使える程度の駆動時間でしかない。
一方、電子インクはページめくりなどの表示書き換え時にしか電力を消費しないこともあり、通常の利用方法で数週間利用可能だ。
電子インク使用デバイスは、週末や数週間に一度など、気が向いたときに数時間充電するだけで問題なく使用できる。
一方、液晶使用デバイスは、使用頻度がそれほど高くなくても、少なくとも数日に一度は充電しなければただの板になりかねない。

太陽光下での視認性は電子インク

太陽光下での視認性の良さは、電子インクデバイスの特徴だ。液晶の場合、影に入っても屋外ではほとんど見えなくなる事が多いだろう。
しかし、暗いところでの視認性となると、電子ペーパーは基本的に紙に印刷された文字と同じなので見ることが出来ない。液晶は電卓などに使用されている反射型液晶などを除き、自ら発光しなければ表示が不可能なデバイスなので、暗所でもまぶしいくらいに表示可能。

この、まぶしいという部分で、液晶では長時間文字を読むデバイスとして適していないとか、読んでいると疲れるという意見もある。電子インクは紙に印刷されて文字と同等の表示なので、どちらかというと液晶よりも疲れないという方が多いようだ。

このように、電子書籍端末の表示機能には大きく分けて2種類あり、どちらも利点・欠点があるという点に注目しよう。

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