VAIO Xのような製品は続くか?

ソニーの薄型軽量ノートVAIO Xはエンジニアの作りたい物をそのまま製品化した製品と言っても過言ではない。
実際、製品発表会や、各種インタビューなどでも明らかにされているが、エンジニアが自分が作りたいモックアップみせて役員を説得して製品化へ向けて動き出したのだという。

VAIO X発表会で開発裏話

どんな製品でも、会社のラインナップ戦略や営業戦略の中で、エンジニアがそれを作りたいかどうかは別に、開発しなければならない製品は多い。この製品に関しては、エンジニアが本当に作りたい物をほぼ妥協無く、部品メーカーの協力もあり製品化できたようだ。

Sony VAIO X

唯一もう少しという部分があるとすれば、キーボードのスペースバー手前の形状はもう少し親指が当たりづらくして欲しかったし、タッチパッドの形状とサイズももう少し改良が欲しかったところだ。
だが、このあたりも気づかない人にはわからない部分のようで、ソニーの関係者に聞いてもピンと来ない方もいるようだった。
開発者はその辺わかっているようで、パームレスト部分のバッテリの位置やサイズ、全体のサイズ、キーボードの強度なども含め、今回の形状になったようだ。
多少の妥協点があるのは、コストなどを考えると仕方がないが、全般的に言えば自分たちが作りたかった物だけに、良くまとまった製品だと言えるだろう。

パソコンは一時期コモディティ化して、どの製品も代わり映えがないような状態になりかけた時期もあった。最近ではデザイン面でも各社個性を出し、A4ノート、B5ノートなどという分類わけではまとめられないほど用途や好みに合わせた多様な製品が出始めている。

最近注目されているのは、価格重視の物だが、その中でもデザイン製などにこだわった物は多い。
パソコンは情報を処理するための機器であり、1人1台から、1人複数台が当たり前になってもおかしくはない。
そんな時代に求められるのは、どれも同じものではなく、衣料品などと同じように個人の好みや用途に応じた多様な製品だろう。

VAIO Xのようなエンジニアが作りたかった尖った製品があっても良いし、単に安いだけの物があってもいい。企業で使う、無難な機能のおもしろみがない物も求められるだろう。
車などがそうであるように、生活に役に立たないスポーツカーのような物がパソコンであってもいいし、軽自動車やトラックなど用途や目的に応じた物がさらに増えてくると業界が活性化するだろう。

しかし、売り上げに伴わなければ後が続かない。
自動車も、ニーズに少しずれて多少売れなくなるだけで、大企業でも存続が危ぶまれるほどになってしまう。
パソコン業界は始まったばかりだが、今後VAIO Xのような製品は続くのだろうか?

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