任天堂が2012年に発売した据え置き型ゲーム機「Wii U」が日本でも海外でも不振だ。
「ニンテンドー3DS」は日本でヒットし、欧米でもポケモン新作の影響などもあり2013年末に絶好調とは言えない物のそれなりの売り上げを記録した。
しかし、ディスプレイ付きのコントローラー「GamePad」を採用し、テレビを使わなくてもゲームを楽しめる「Wii U」が世界的に不振だ。
これはディスプレイ付きのコントローラーの利点を活かせていない事などが影響している。
これについて2014年1月30日(木) 経営方針説明会 第3四半期決算説明会において任天堂社長の岩田聡氏が挽回策について説明した。
現在スマートフォンなどが急速に普及している。単純に考えれば、以前のセガのように、独自ハードウェアから撤退し、任天堂がスマートフォン向けにソフトを提供すれば、かなりの売上げが期待できる。
しかし「ハード・ソフト一体型のビデオゲーム専用機プラットフォームを経営の中核とすること」はこれからも変えないことが説明された。
つまり、任天堂はハードとソフトを一体運営することで新しい遊びを追求していくということだ。
このため、現状のハードウェアを盛り上げていく必要がある。
「GamePad」の魅力を最大限に発揮するソフトを、「宮本の指揮する当社の内作開発部門の今年の最優先課題のひとつ」として開発している。
また、「GamePad」にはNFC機能があるが、この機能の活用例を6月に行われるE3で公表するとのこと。
また、「Wii U」は起動しゲームを選ぶまでに20秒以上かかるが、初夏に予定する更新ですぐにゲームを選べ、20秒程度でゲームが始められるようにする。
バーチャルコンソールでは、ニンテンドーDSへの技術的な対応のめどが立ったため、今後DSソフトを配信する。
以上が「Wii U活性化」策だが、2014年5月にはマリオカート8を全世界で販売し、単発に終わらないようにしていくとのこと。
さらにニンテンドー3DSもニンテンドー・ネットワークIDに対応したばかりだが、デバイス単位であったものをID単位にするのを推進する。
これをスマートフォンなどのスマートデバイスにも対象を広げる。スマートデバイスで任天堂とつながりを持てるような何らかのサービスを2014年中に開始する。ここで何をするかは現在開発中だが、「開発チームには、ゲームをつくることも、自社のキャラクターを使うことも禁じていません。」ということで、単なる文字や動画などでは無く、マリオなどを使った楽しめるコンテンツが登場してくることが予想できる。
さらに、スマートフォンなどでサービスを提供した方が便利な物はそちらを強化していく。
ハード・ソフトの売り方も変えていくという。
現在、ハードが3万円、ソフトが5千円という一律の料金体系だが、ソフトを何本も購入する方にはソフトを安くするというようなことが考えられるという。
これは中期的な計画だが、Wii Uではこの実験的な取り組みをしていくという。
また、キャラクターIPを積極的に活用していくことや、2015年からは新市場へのアプローチ方法を変更するという。
まとめ
任天堂はハードとソフトの一体開発をこれからも続ける
Wii UのGamePadの魅力を高め、Wii Uを活性化させる
ニンテンドー ネットワーク IDの積極活用
スマートフォンなどを積極的に活用する