アップルから発表されたタブレット端末iPadは、電子書籍ストアiBookstoreが利用できるようです。
このiBookstoreで新聞や雑誌、書籍が購入できるようですが、他に具体的にどのような書籍が提供されるのか、Amazon DTPのように、出版社以外でもこのストアで書籍を売れるのかなど詳細はわかりません。
少なくとも現時点では、アップルが提供するiBookstoreで販売される新聞や雑誌、書籍はiPadで表示できる事だけはわかります。また、ePubという業界標準の電子書籍フォーマットもサポートするようですし、TEXTファイルは当然として、各種オフィスソフトで作成した文章、PDFなどもサポートするのでしょう。
そうなると気になってくるのがAmazonのKindleなど、電子インクを使った電子ブックリーダーと競合するかどうかという点です。
結論から言えば、液晶を表示デバイスに使ったiPadに限らず、Slate PCと、e-inkなどの電子インクを使った電子ブックリーダーは直接は競合しません。
理由は簡単で、新聞や雑誌はともかく、文章が主で構成された電子書籍を液晶などの表示デバイスで読む場合と、電子インクで読んだ場合の違いでわかります。
電子インクに表示された文字はまさに、紙で文字を読んでいるのと同じ感覚です。長時間読んだ場合の疲労度なども紙の本と同じです。一方、液晶などの表示デバイスで文字を長時間読んだ場合の疲労度は、紙のそれを遙かに超えます。
もちろん、個人差はあると思いますが、文字だけで構成された文章を読む場合、圧倒的に電子インクを使ったデバイスの方が優れています。
しかし、電子インクは表示速度が遅い、カラーの対応が不完全など2010年初頭の現在、様々な問題があります。
iPadのように写真やビデオなども含め、メディアリーダーとして使う場合、液晶の方が優れていますし、写真が豊富で、デザインでも見せる雑誌の場合は、iPadのような製品の方が適しているでしょう。
ここで気になってくるのが、AmazonがiPhoneやiPod touch用に提供しているKindleアプリの存在です。iPadではiPhone用アプリがそのまま動作しますので、KindleアプリもそのままiPadで動作するでしょうが、iBooksと競合する物となってしまいます。
Amazonとしては、Kindleというデバイスよりも、電子ブック市場のシェア確保の方がより重要だと思われますが、競合するので、KindleアプリがiPadで使えなくなる可能性もあります。
両者がここをどう判断していくのか興味深いところです。
結論
ハードウェア自体は、表示デバイスやソフトウェアが異なるので競合しない。
電子書籍ストアをみると、AmazonがサービスしているKindleと、アップルのiBookstoreは競合する。