「ドコモがiPhoneを投入」報道の真相

携帯電話関連で、定期的にニュースになっているのが「ドコモがiPhoneを投入へ」という物だ。
ドコモに限らず、世界中の携帯電話キャリアは常にアップルと何らかの交渉はしているし、ドコモもiPhoneが世界で初めに発表された当初から交渉はしているだろう。

しかし、2013年4月現在、ドコモはiPhoneを取り扱っていない。

これは、アップルとの交渉がうまくいっていないからで、その最大の原因はドコモが独自のサービスにこだわったりすることとみられている。
そもそもドコモは、iPhone発表当初、iモードやおサイフケータイなどのドコモが開発したガラパゴスケータイと言われている携帯電話などの方がユーザーに受け入れられるとしていたことから、アップルとの交渉がなかなかまとまらない原因ではないかと考えられている。

しかし、日本の携帯電話業界ではドコモは一人負けの状況で、iPhoneを取り扱わずにいると、現在のトップシェアを維持できなくなることは確実だ。

実際に数年前からこの状態で、ドコモもiPhoneを取り扱うよと一部の報道機関にリークすれば、報道機関にすれば、ドコモ関係者からのリークなので信頼性が高いと喜んで記事にする。
これによって、ドコモをやめてiPhoneが使える他社にMNP(モバイルナンバーポータビリティー)を使い、転出してしまうことを少しでも阻止できる。

最終的な結果はドコモとアップルの交渉次第なので、その報道記事がどうなろうと正式に発表したわけではないリークしたドコモも、それを報道した報道機関も責任は一切とらない。

混乱するのは定期的にこの手の報道で惑われるユーザーだけだ。

プラチナバンドの影響もあり、ソフトバンクの電波状況は向上しつつある。auもiPhoneを取り扱いはじめ時間が経ち、使い勝手は良くなりつつある。ドコモがiPhoneを取り扱うことのメリットは年々低下しつつある。
自分の携帯電話やスマートフォンを買い換えるタイミングで、必要と思った端末やサービスを選ぶという基本を守れば、このての報道に惑わされることはなくなる。

「ドコモ、2012年夏にiPhone参入騒動」は意図的リークか?

通常、各企業による公式発表以外の報道は誤報になることもあり、すべてを信頼することはできない。
しかし、何らかの形で意図的に情報をリークするなどして、他社を牽制するために結果的に誤報になったとしても情報をリークすることはあり得る。

2011年12月1日に日経ビジネスオンラインにおいて、2012年にドコモがiPhoneおよびiPadを販売することに合意したとの記事が掲載された。

ドコモ、来年夏にiPhone参入 日経ビジネスオンライン

複数の関係者によると、11月中旬にドコモの山田隆持社長と辻村清行副社長らが訪米し、アップル本社でティム・クックCEO(最高経営責任者)らと会談。次世代iPhoneと次世代iPadの販売で基本合意し、販売数量などの条件について本格的な交渉を開始した。
アップルはドコモにiPhoneやiPadの販売権を与える条件として、ドコモが昨年12月に商用化したLTEネットワーク(サービス名は「Xi(クロッシィ)」)に対応させることを要求し、ドコモがこれに応じたもようだ。

この情報はどこからのどんな意図の物か
この記事は日経ビジネスの取材による物だが、ドコモもしくはアップルの内部関係者しか知らないような情報から記事にしたようだ。日経ビジネスと言えば、日本でも一流の報道機関であり、全く何もないところからの情報ではないだろう。
しかし、アップル自体はこの手の情報統制に内部でも厳しく、日本のアップル関係者は一般的に直近にならないと情報を知らされていないようだ。そうなると、米国のアップル関係者から得た情報とも考えられるが、国内取材が中心の日経ビジネスが、米国のアップル関係者からここまで情報を引き出したとは考えにくい。製造業者からの情報もあり得るが、ハードウェアの情報は得られても、通信業者に関する情報は知らされないのが一般的だろう。残るのは、ドコモの関係者だが、アップルや他社からの情報入手が困難なことを考えるとドコモ自身からの情報と考えるのが妥当だろう。

ドコモは、純増数などでソフトバンクに差をつけられ、2011年10月のiPhone 4S発売以降、auとも差をつけられるようになっている。MVNOによる乗り換えも多くなっていると考えられるが、ドコモの公式な情報ではこの影響は、Android端末の発売が12月などになったことの影響が大きいと考えられている。
しかし、実際の販売状況をよく知るドコモ自身が、現行のAndroid端末ではiPhone 4Sに勝てる見込みがないことから、情報をリークするという形で他社の勢いを削ごうとしたと考えることもできる。もちろん、これらの情報が誰がどういった形でこの記事を書いた記者に提供されたのかは、記者自身にしか知るよしがないし、その意図も情報をリークした物しか知らない。

現在、スマートフォンを買おうかどうか考えている方の中には、ドコモでiPhoneが使えるようになるならそれまでまとうという方も少なくないだろう。また、より高速な通信速度で使えるとされているLTE対応の新機種が来年出るなら、ドコモかどうかはともかく現行機種を買うのを考える方も少なくないだろう。

そもそも、この報道にあるようにLTE対応のiPhoneやiPadはあるのか
iPhoneなどのLTE対応はQualcommなどの通信チップ開発状況から予想すると、2012年中頃以降になると思われる。これらのチップが2012年の次世代iPhoneや次世代iPadに搭載されたとしてもおかしくはない。
Appleとしても、日本でLTEの投資では先行するドコモを利用することで、iPhoneの使い勝手をより向上させるのは悪くない選択肢となる。

一方、ドコモはこの手の情報における教科書的な回答をしている。

弊社に関する一部報道について ドコモのお知らせ

現時点において、「iPhone」及び「iPad」の取り扱いについて、当社がアップル社と基本合意したという事実はございません。
また、現時点において、「iPhone」及び「iPad」の取り扱いに関し、アップル社と具体的な交渉をしている事実もございません。

消費者はどうすればいいか
これらの情報がどこからのどんな意図だったのかを検証することは難しいが、要するに企業同士の情報合戦であり、消費者がこれらの情報に惑わされ何らかの行動をするべきではない。
情報機器は各社ある程度計画的に開発、販売されるが、計画がうまくいかないこともあるし、Appleの場合は中途半端な製品を販売することもしない。そのため、実際に1年後にどんな製品が出てくるのか、もしくは出てこないかはApple自身も正確なことを言えるわけではない。
消費者としては、現時点で提供されている物が、自分が必要とする物が価値のある物かどうかで判断するのが正しいと言える。

スティーブ・ジョブズによる本当の最後の作品はApple Campus 2

ソフトバンクの孫正義がAppleのiPhone 4Sを「スティーブ・ジョブズ最後の作品」として販売しシステム障害で販売できないというお粗末な結果となったが、本当に最後の作品といえるものはほかにある。

どの企業でも同じだが、基礎研究や新製品開発は実際に製品が販売される数年前から始まっている。開発はしたが様々な要因により世の中に出ないものも多いが、新しいMac、iPad、iPhone、iPodなども新製品自体の開発はしているだろう。2011年10月までは何らかの形でこれらの製品の開発や基礎研究にも関わっていると思われるが、直接関わったと言える製品は2012年の製品か2年後の2013年頃までの物となるだろう。

それ以降は間接的に関わった物がでてくるだろうが、これ以外に、すでにプロジェクト自体が一般に公表され、2015年に完成が予定されている物がある。
それがAppleの新しい社屋Apple Campus 2だ。

この社屋が建設される地元のクパチーノ市議会では、この計画を市民など含めレビューしてもらうための手続きが2011年6月から始まっており、6月にはスティーブ・ジョブズ自身が直接これをプレゼンしている。
WWDC 2011でのプレゼンが6月6日、市議会では6月7日なので、公の場に出てきたジョブズ最後の映像ともなっている。

Steve Jobs Presents to Cupertino City Council YouTube

Apple Campus 2

この新しい社屋はHPの複数の事務所があった場所で、これをドーナツ状の1つの建物にまとめ、地下に駐車場を設置し、緑の面積を増やすなどした非常に特徴的な建築物になっている。
スティーブ・ジョブズ自身のプレゼンや、このApple Campus 2の図面も公開されているので、2015年に完成予定の本当に最後の作品となるだろう姿を今からチェックしておくのもいいだろう。

Cupertino: Apple Campus 2
http://g.co/maps/8x62kApple Campus 2の場所 Google Maps

公式評伝以外のスティーブ・ジョブズ関係必読書

スティーブ・ジョブズ関係の書籍としては、2011年10月に公式評伝であるスティーブ・ジョブズが発売される。
公式なもので取材にも全面的に協力しているということでおもしろそうな内容ではあるが、これ以外にもおもしろい本はいくつかある。
その中でもこの2冊だけは外せないだろう。

スティーブ・ジョブズにはApple Computer設立まで、Appleの急成長とNeXT設立、Apple復帰からiPod、iTunes、iPhone、iPadまでの大きく分けて三つの時代があるが、このなかでNeXT設立までが描かれたのが「スティーブ・ジョブズ――パーソナル・コンピュータを創った男 (原題 Steve Jobs: The Journey Is the Reward)」だ。

そして、Apple復帰、iPod、iTunesの躍進までが描かれたのが「スティーブ・ジョブズ-偶像復活 (原題 iCon Steve Jobs: The Greatest Second Act in the History of Business)」だ。

どちらもMacWorldの編集者だったジェフリー・S・ヤングが執筆しており、公式のものではないが、非常に興味深い内容が書かれており、スティーブ・ジョブズに関して知りたいなら必読書となる。
残念ながらパーソナル・コンピュータを創った男は原書では1987年に発行されたものであり、20年以上たち入手しづらくなっている。アメリカでも状況は同じなので、ぜひ読みたいという方は、中古などでお得な価格で出回っているのを見つけたら確保しておくことをおすすめする。
iConの方は発行して5年ほどなので、まだまだ入手しやすいので一般的にはこちらを先に読むのが先だろうか。

au版iPhoneがあり得る技術的な理由 2011年秋に発売か?

日経ビジネスなどの記事によると、2011年11月にauから次期iPhoneが発売されるという。
AppleのiPhoneは確実に売れる人気商品だが、どの通信キャリアから販売されるかはAppleと通信キャリアとの交渉によって決まる。一部の国と地域ではunlocked(SIMフリー)な製品でどの通信キャリアでも使用できるようになっているが、日本で販売されているiPhoneはソフトバンクでしか使えないようになっている。
これは、ソフトバンクとAppleの契約内容がそうなっているからだと予想されるが、ソフトバンクとしてはドコモに追いつきたいので、人気商品のiPhoneではそのような契約にしていてもおかしくはない。

一方、auだが、auはソフトバンクやドコモとは異なる通信方式を使用しているため、iPhoneは技術的使用する事が出来なかった。

どちらも第三世代携帯電話の3Gだが、
ソフトバンクやドコモの通信方式 W-CDMA
auの通信方式 CDMA2000

という2種類の方式が日本で使われている。今までのiPhoneはW-CDMAでしか使用できなかったので、ドコモかソフトバンクかという2つの選択ししかなかった。
つまり、どうやっても電波の送受信が出来ないので、技術的にauではiPhoneは使えなかったというわけだ。

しかし、iPhone 4では2011年2月からCDMA2000に対応した製品が用意され、アメリカではauと同じ通信方式のVerizon WirelessからiPhoneが販売されるようになった。
つまり、auもこのVerizon Wirelessで販売されているiPhoneを2011年2月から技術的には使用できるようになったという事だ。

2011年10月にも登場するといわれているiPhone 4の次機種もW-CDMA版とCDMA2000版が販売されるだろう。販売時期がどうなるかはわからないが、現行機種は既に販売済みなので、iPhone 4の用に半年以上遅れるという事は無いだろう。

本体の価格は両方とも同等になるだろうが、気になるのは通信料金。auの方が電波のカバーは広く、ソフトバンクよりはデータ通信が快適になりそうだが、料金はソフトバンクと同等になるか、高くなるかのどちらかだろうが、まだ不明。

少なくとも、ソフトバンクでは電波が届かなくてiPhoneを選べなかった方にもau版iPhoneはおすすめの物となる。
スマートフォンを考えている方は、10月にも発表されるだろう次期iPhoneの動向を見てからでも遅くはない。

まとめ
au版iPhoneは電波の技術的に可能。
auでの販売はAppleとの交渉次第。
価格はソフトバンク版と同等、通信料金はわからない。
ソフトバンクの電波が届かなかった地域の方にはau版iPhoneはおすすめとなる。