日本は自主的なピークシフトで電力不足に対応するしない

2011年3月の東日本大震災直後、関東地方で電力不足になり、その夏には全国的に電力不足が懸念された影響で、一般家庭はもちろん、産業界にも影響が出た。
2012年の春に日本で稼働する原子力発電所が無くなった関係で、特に電子力発電の依存度の高い電力会社管内では電力不足が予想されている。

このため、一般家庭や事業所は、例年以上に節電に励む必要があるし、土日や夜間などに工場を稼働させるなど、ピークシフトが必須となってくるだろう。
通常、夏の電力のピークは昼過ぎから夜8時頃までだが、輪番でこの間の使用電力を何割か削減するだけでも、かなりの効果を発揮することだろう。

工場などで、常に一定温度を維持し続けないと生産効率が下がるような機器の場合、温度管理部分は稼働を維持し、それ以外の稼働を止めるなどすれば、稼働率は下がる物の、生産効率自体はそれほど下がらず、使用電力を何割か削減することは出来るだろう。
このようなことは、昼休みにも行われていることだ。一般的に午前8時から午後5時頃に稼働しているところが多く、昼休みは昼の12時の1時間となっている。一部の事業所で、午前6時から午後3時にしたり、午前10時から午後7時に稼働するなどの時間調整をするだけでピークの時間が移動するため、経済的にはそれほどの不利益も無く稼働を続けながらピークシフトすることが出来る。

このような事は2011年も行われていたことだが、2012年にはさらに前述したような、稼働していたとしても、電力需要に応じて自主的に、一時的に生産効率が去らない程度に節電を行う必要が出てくるだろう。

2011年中に稼働が可能と思われる原子力発電所一覧

原子力発電所は定期的に検査が必要だが、東日本大震災以降、地元自治体などの反対で稼働していない原子力発電所がいくつかある。
原子力発電所の定期検査は安定稼働した時点で終了するので、稼働しない限り定期検査が終わることはない。
2011年6月末に2011年中に技術的に稼働が可能と思われる原子力発電所をまとめた。

定期検査中で稼働再開が可能な原子力発電所
北海道電力 泊原子力発電所 1号機 57.9万kW
北海道電力 泊原子力発電所 3号機 91.2万kW

東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 2号機 110.0万kW
東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 3号機 110.0万kW
東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 4号機 110.0万kW

日本原子力発電 東海第二発電所 110.0万kW
日本原子力発電 敦賀発電所 1号機 35.7万kW

関西電力 美浜原子力発電所 1号機 34.0万kW
関西電力 美浜原子力発電所 3号機 82.6万kW
関西電力 高浜原子力発電所 1号機 82.6万kW
関西電力 大飯原子力発電所 1号機 117.5万kW
関西電力 大飯原子力発電所 3号機 118.0万kW

中国電力 島根原子力発電所 1号機 46.0万kW

四国電力 伊方原子力発電所 3号機 89.0万kW

九州電力 玄海原子力発電所 2号機 55.9万kW
九州電力 玄海原子力発電所 3号機 118.0万kW
九州電力 河内原子力発電所 1号機 89.0万kW

2011年6月現在の原子力発電所稼働状況

2011年6月末現在の原子力発電所をまとめた
停止時期は稼働時期の約1年後とした。

原子力発電所は燃料の交換や検査などで稼働から1年程度で定期検査に入る。
現在稼働中の原子炉のほとんどは2011年3月以前に稼働していた物。

現在運転中の原子力発電所
北海道電力 泊原子力発電所 2号機 57.9万kW 停止時期 2011年8月頃
北海道電力 泊原子力発電所 3号機 91.2万kW 停止時期 2012年7月頃

東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 1号機 110.0万kW 停止時期 2011年8月頃
東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 5号機 110.0万kW 停止時期 2011年12月頃
東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 6号機 135.6万kW 停止時期 2012年2月頃
東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 7号機 135.6万kW 停止時期 2011年7月頃

関西電力 美浜原子力発電所 2号機 50.0万kW 停止時期 2011年12月頃
関西電力 高浜原子力発電所 2号機 82.6万kW 停止時期 2011年12月頃
関西電力 高浜原子力発電所 3号機 87.0万kW 停止時期 2012年2月頃
関西電力 高浜原子力発電所 4号機 87.0万kW 停止時期 2011年7月頃
関西電力 大飯原子力発電所 2号機 117.5万kW 停止時期 2011年12月頃
関西電力 大飯原子力発電所 4号機 118.0万kW 停止時期 2011年7月頃

中国電力 島根原子力発電所 2号機 82.0万kW 停止時期 2011年12月頃

四国電力 伊方原子力発電所 1号機 56.6万kW 停止時期 2011年8月頃
四国電力 伊方原子力発電所 2号機 56.6万kW 停止時期 2011年12月頃

九州電力 玄海原子力発電所 1号機 55.9万kW 停止時期 2011年11月頃
九州電力 玄海原子力発電所 4号機 118.0万kW 停止時期 2011年12月頃

九州電力 河内原子力発電所 2号機 89.0万kW 停止時期 2011年8月頃

2011年6月末現在の原子力発電依存率は10%

2011年6月末現在の日本の各電力会社のピーク時供給能力と、稼働中原子力発電所の定格出力をまとめた。
北海道電力の依存率が高いが、従来30%と言われていた依存率が東日本大震災以来下がっていることがわかる。
今後、原子力発電所の再稼働が遅れればさらに下がる事が予想される。

最大供給能力(万kW) 原子力発電(万kW) 原子力の割合
北海道電力 570 149 26%
東北電力 1,177 0 0%
東京電力 5,010 491 10%
中部電力 2,676 0 0%
関西電力 2,890 542 19%
中国電力 1,313 82 6%
四国電力 666 113 17%
九州電力 1,728 263 15%
沖縄電力 192 0 0%
日本全体 16,222 1,641 10%

日本原子力発電は現在全原子炉が停止中。
各数値は間違いないようにしていますが、実際とは異なる場合があります。

2012年夏の東京電力管内の電力は足りるのか?

2011年夏の電力供給はなんとか足りそうだが、原子力発電所の定期検査に入る2012年頃には供給力が足りなくなる可能性がある。

東京電力が供給している電力のうち、2011年6月現在、原子力発電は柏崎刈羽原子力発電所の1、5、6、7号機が稼働中で合計約450万kW分が供給されている。
原子力に限らず発電所には定期検査が必要になる。原子力発電所の場合、定期検査は短くて3から4ヶ月ほどかかり、その後1年間程度運転する。
現在運転中の柏崎刈羽原子力発電所の場合、運転時期から考えると、1、7号機は夏から秋に、5号機は冬、6号機は春に定期検査に入る計算となる。

定期検査後の再稼働には、発電所周辺を中心に国民の中に強い反対感情があり、簡単にはできない状況になっている。
つまり、原子力発電所が再稼働しなければ、2012年春には原子力発電所はすべて止まり、現在供給されている電力の約450万kWが減ってしまう。これは2011年6月現在の供給能力の10%にあたる。

今後、1年のうちに原子力以外の発電能力は増えるだろうが、来年以降の供給能力が減り、2012年以降はよりいっそうの節電が必要になる可能性がある。

原子力発電の再稼働の有無に関する2012年度までの電力需要分析