直読直解で意識すべき理解速度

英語は日本語と語順が異なるため、英語を日本語として自然な言葉に翻訳するには、英語の語順から逆にした並びで日本語にするような作業が必要になります。
これは日本語として自然な文章にする際に必要な作業で、自分の中で理解するときにはそのような作業は必要ありません。

英語の語順で訳した例と自然な日本語の例

英語 I run.
単語毎の訳 私、走る
語順通りの訳 私はランニングします。
自然な日本語 私はランニングします。

英語 I run every day.
単語毎の訳 私、走る、いつも、日
語順通りの訳 私はランニングします。毎日。
自然な日本語 私は毎日ランニングします。

英語 I run in the park every day.
単語毎の訳 私、走る、中、その、公園、いつも、日
語順通りの訳 私はランニングします。公園で毎日。
自然な日本語 私は毎日公園でランニングします。

英語 I run in the park every day for my health.
単語毎の訳 私、走る、中、その、公園、いつも、日、のために、私の、健康
語順通りの訳 私はランニングします。公園で毎日。健康のために。
自然な日本語 私は健康のために毎日公園でランニングします。

英語を語順のまま理解して聞いた直後に反応できるようにしよう

このように文章が長くなればなるほど、英語と日本語では言葉の並びが逆になっていきます。
最後の文章の場合なら「I run in the park every day for my health.」を聞いて「私はランニングします。公園で毎日。健康のために」と何とか聞き取れ、それぞれの文章の固まりを理解出来たとして、その後に「私は健康のために毎日公園でランニングします」と頭の中で翻訳し直していたら会話が続きません。

それ以前に「私、走る、中、その、公園、いつも、日、のために、私の、健康」と単語毎に理解した後に頭の中で、in the parkは「公園で」だな、「every day」は毎日だな、などと順番に理解して、何となく自然な英語に組立て直している状態だと話にならないです。
英語を句毎のひとまとまりで理解できるようになり、それぞれがどこに関係しているのかの英文の構造がわかるように、文法からしっかり学習しましょう。

その上で、聞いた直後に「That’s great!」とか「How long do you usually run for?」みたいな返答をすぐに返せるようになるのが理想ですが、直読直解が出来て、聞き取り自体が出来、その上で自分から返事の内容を英作文できないと、そこまでたどり着けないです。

まず必要になることは基本的な単語などはわかり、英文法を理解したうえで、直読直解が出来るようになる事です。
初めから文章を読んでいき、その文章を英語の語順のまま理解するのが直読直解です。

この例では簡単な内容なので、直読直解をしっかり学ばなくても、わざわざ頭の中で翻訳し直すことは無いかもしれません。ややこしい内容になればなるほど、頭の中での翻訳が発生し、直読直解の重要度が身にしみてわかるようになります。

そのために、単語、文法などを理解した上で、直読直解を踏まえた音読を繰り返します。
様々な文章を直読直解を踏まえた音読をしていくことで、自分が理解出来る内容が増えて行きますので、地道にやっていくことで効果を発揮します。

音声だけで聞き取るために最低限必要な事

文章の場合は、自分のペースで読んで理解していけば良いので基本的に制限時間はありません。
しかし、会話の場合は、相手が話すスピードに合わせて聞き取り、それを理解しなければいけません。

まず必要なのが、自分のペースで良いので該当の内容自体を理解出来る能力で、それを学習できるのが直読直解です。

直読直解自体は、読んで英語の語順通りに理解していくということを学習していきます。
それが出来るようになったら次の段階の速度を意識するようにしましょう。

会話では読むのではなく、話した内容を内容を聞き取る必要があります。音読の際に、音読教材についている音声を使って聞き取り、それを真似るという事を行うので、しっかり音読をしている場合は聞き取る能力もある程度ついていると思います。

これがうまく出来ていない場合は、その前段階の発音などの学習を含めて、基礎をしっかりと学習しましょう。

直読直解で意識したい速度

音読教材も初心者向けから中級者向けなどで読む速度がかなり異なります。
まずはゆっくり話している初心者向けの教材を使うのもいいですが、ある程度力がついてきたら、自然な速度で話している教材を活用しましょう。

実際の英語の会話では1分間に150ワード程度の速度で話されているようです。つまり、1分間に150語の文章を読んで理解出来ない場合は、一般の会話はついて行けないということになります。
リスニング能力、文書読解能力にくわえて必要な、理解速度の目安が1分間に150ワードということです。

もちろん早口で話す人もいますし、この目安の速度は平均的な会話速度なので、やっとここに到達した程度だと、ちょっとややこしい内容ではすぐについて行けなくなるので、最終的に目指すのはこれを超える速度になります。
まず目指すべきは一般的な会話速度の1分に150ワードの理解が出来るかという事です。

実際に文章を自分で読んで、1分間に150ワード程度の速度で返り読みせず正しく理解出来るかを確認してみましょう。

例えば次の会話文は239ワードです。各文冒頭のEmilyとBenを除くと224ワードなので、230ワードあるとして何秒で読めたのかを調べてみましょう。
前半と後半で区切っており、それぞれの分量はほぼ同じです。後半の方がわかりにくいので、前半と後半での速度差をチェックするのも良いと思います。

Emily: Hey Ben, did you have a good weekend?
Ben: Hi Emily. It was alright, nothing special. You?
Emily: Oh, it was a bit of a disaster, actually. Remember I was planning to go hiking?
Ben: Yeah, you were really excited about it.
Emily: Well, I was all set, backpack ready, hiking boots on… and then my car wouldn’t start!
Ben: Oh no! What happened?
Emily: I have no idea. I turned the key and there was just a clicking sound. I tried a few more times, but nothing.
Ben: Sounds like a dead battery, maybe.
Emily: Could be. I’m useless with cars, though. I had to call a tow truck.

Ben: That’s a bummer. Did you manage to reschedule your hike?
Emily: No, I was so frustrated I just gave up. I spent the rest of the weekend moping around the house.
Ben: That’s a shame. I’ve been meaning to try hiking myself. Maybe next time you can let me know and I can tag along. I might even be able to help if your car acts up again.
Emily: Really? That would be great! I’d feel much more confident with someone who knows about cars around.
Ben: Sure, just let me know. And hey, don’t let this one bad experience put you off hiking. It’s a fantastic way to enjoy nature.
Emily: Thanks, Ben. I appreciate it. I’ll definitely keep you posted about my next hiking adventure.

この文章全体を90秒で読めた場合は1分間に150ワード相当になるので、通常の会話ならなんとかついて行けるレベルになります。
140秒の場合は1分間に100ワード相当になり、ゆっくり喋っている英語教材レベルになり、通常の会話ではついて行けません。

前半は40秒、後半は50秒だった場合、前半は1分間に170ワード、後半は1分間に140ワードになり、後半の内容がついて行けないことがわかります。この場合は前半のやさしい表現は問題ないが、後半の表現などになじみがない場合などに理解速度が落ちるということです。多読を続けていけば、後半のような表現でも理解速度は上がっていくことになるでしょう。

前半は50秒、後半は60秒の場合なら、前半は1分間に140ワード、後半は1分間に115ワードになり、前半の内容もギリギリ、後半の内容はついて行けないことがわかります。基礎的な多読もしっかりやった方が良い段階になります。

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