文法を知らずに使える言語、文法から入る外国語学習の違い

この文章は日本語で書かれているので、主に日本語話者が読んでいると思います。
日本語話者は、子供の頃からなんとなく日本語を学び、小学校や中学校でなんとなく国語としての日本語を学びました。学校で学んだことを覚えている方もいるでしょうが、学校で何をやったのかは覚えていないし、文法もよくわからないが、何が日本語として自然な表現なのかは身についているかたがほとんどと思います。

言語を学ぶルート

母国語として言語を学ぶ場合、赤ちゃんのころから10歳くらいまでに基本的な事は学校の勉強も含めて学びます。
文法はよく学んでいない10歳くらいの段階で、言語としては問題なく使えるようになっており、その後の学習で日本語なら使える漢字や、表現の幅を増やしていきます。

一方で外国語を学ぶ場合は、文字を基礎として学び、簡単な表現を出来るように文法の学習へと進んでいきます。

母国語として日本語を学んだ場合

簡単な単語を覚えていく赤ちゃんの頃
簡単な表現を覚えていく幼稚園のころ
文字を読めて書けるようにする小学校
表現や使える単語の幅を徐々に増やして行く小学校くらい
文法を学ぶいつ何の文法を学んだかすら覚えてない
おそらく一般的な母国語の学習ルート

文法はよくわかってないが、10年くらいかけて日本語は話せるし、読めるし、書ける状態になっています。
中学校、高校などで国語として何らかの文法を学んだ記憶はあるが、結局あれは何だったのかなくらいの知識の方が多いのではと思います。

極端に言うと、英語とかは文法がどうのこうのって良く聞くけど、日本語の文法って何もわかってないよね。みたいな感じでは無いかと思います。

外国語を学ぶ場合

その言語の文字を覚える中学1年生の英語の初め
簡単な単語や表現を学ぶ中学1年生の英語の初め
文法を学ぶ文字や表現が終わった直後
とにかく文法を学び続ける基本的な文法以外忘れてる
2010年代くらいまでの日本での英語学習の場合

日本での英語学習の場合、2020年から小学校での英語教育が必修化されましたが、小学校では主に聞くことと話すことの基礎を学ぶような形のようです。以前の中学1年の初めの方にやっていた物を小学校でしっかりやるようなイメージでしょうか。

以前は読み書きが重視され、聞き、話す能力はあまり重視されていませんでしたが、現在は聞く、話す、読む、書くの4技能が重視されています。そうなっても、中学、高校では徐々に文法の知識を深めていく授業が中心なのは、以前からそうは変わっていないのでは思います。

英語が苦手な方、自宅などでの学習が不足している方にとっての英語は、単語も表現もよくわかっていない段階で、文法の学習が続いていきます。
その結果、文法の知識も、表現の幅も増えないまま、すべてが中途半端な状態になります。英語の知識は多少の単語がわかり、ある程度の文法はわかる状態なので、簡単な文章ならなんとかわかるような状態です。
発音をしっかり学んでいないので、相手の言っていることはわからない、自分の発音は下手くそなまま、自分の言いいたこともどう表現したら良いかわからないの状態になります。

外国語を文法から入っても使えるようにはならない

勉強が大好きな人が、しっかり文法を学び、学んだ文法をしっかり身につければ、その内容を理解し、使えるようになるでしょう。

しかし、日本人が英語学習でやるレベルの文法理解では、なんとなく理解しただけの状態では、その内容を実際に使えるようにはなりません。

文法から入るなら

文法の基礎を学ぶ

その文法を使った例文を理解する

その文法をしっかり身につける

例文から一部変えて自分で表現できるようにする

例文のような表現はすぐ出てくるようにしっかり訓練する

文法を意識せずにその表現が出来るようになるまで訓練する

このくらいやらないと、使えるようにはならないです。

一般の学習者の場合は

文法の基礎を学ぶ

その文法を使った問題はなんとか解けるようになる

のような段階で終わってます。
文法問題がなんとなく解ければそれで終わり、その文法を使った表現も身についていない状態で次の文法学習へ進んでいきます。

一方で、文法からやらずに、母国語のように表現の丸暗記から入る場合

伝えたいことの表現方法を学ぶ

その表現を訓練する

似た表現を訓練する

同じ表な表現なら出来るようになるまで訓練する

あとから文法を学ぶが、文法を知らなくても自然な表現は身についている

のような形になります。

文法学習で、外国語が伸びない場合は、母国語を覚えるのと同じような、基本的な表現の丸暗記から入るという方法があります。
その表現はこうやるということを覚えてしまう方法で、その後にその表現の文法を学習するような形です。

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