日本では小学校が2020年度からプログラミング教育が必修化されました。中学校でも2021年度から、高校では2022年度から必修化されたと理解している方が多いですが、中学では2011年度、普通課高校では2003年度から必修化されており、2021年、2022年度からは新しい教育指導要綱での対応になっただけで、基本は変わっていません。
このプログラミング教育のために、自宅での学習の準備をする方もいるようですが、どのような準備が必要になるでしょうか。
プログラミング教育とは
プログラミング教育とは論理的思考能力を育てることです。
全員をプログラマーにするという教育ではなく、コンピューターの基本原理を学び、プログラミングの基本となる論理的な思考能力を学び、様々な環境でそれを生かしてもらう事を意図しています。
数学で数学者を育ているのではなく、技術で大工を育てようとしているのではないのと同じ考えで、問題解決能力を身につける事などが教育の目的です。
文部科学省の手引き等などでは次のように説明しています。
具体的に小学校では次のように説明されています。
小学校の段階では本格的なプログラミングは学習しませんが、本格的なプログラミングで必要になるのが英語です。
2020年より小学3年生から英語が必修化、ローマ字も学習し、プログラミングで必要なキーボード操作も可能になります。
高校くらいになると本格的なプログラミングを実習することもある用ですが、プログラミングが必修化したからと何かのプログラミング言語を家庭で学習する必要はありません。
もちろん、家庭で学習しておけば参考になりますが、コンピューターサイエンスの基礎を系統立てて学習する学校教育と、課程での独学による教育は異なります。プログラミング教育のために学習する場合は、プログラミング言語よりも先にコンピューターサイエンスの基礎の学習をしましょう。
プログラミング学習の前に基本を身につけよう
プログラミング学習が進むと、キーボードの使い方など、コンピュータの基本操作も必要になりますが、それよりも重要なのがコンピュータがどうして動くのかという基本的です。
ここで言うコンピュータは、いわゆるパソコンの事に限らず、中にコンピュータが入っている機器一般のことです。スマートフォン、タブレットはもちろん、様々な情報機器一般のことで、以前はマイクロコンピュータ、略してマイコンと呼ばれていた機器が入った製品の事です。最近はテレビ、家電などありとあらゆる機器にコンピュータが入っています。
この基本は、大学でも、高校でも小学校でも同じで、基本を理解した上で、プログラミング自体の学習に進んでいきます。
コンピュータに関する専門学問をコンピュータサイエンスと言いますが、自動車免許の取得に車の基本を学習するのと同様に、コンピュータやプログラミングに関する学習の前に、どのように動作しているのかの基本を学びます。
小学校、中学校でプログラミング学習の準備のための基本的な知識を学ぶには、基本を解説した書籍などを読むのが最適です。
その上でわからない事をインターネットで調べるなどして知識を補完しましょう。
その上で何らかのプログラミング言語を学習します。もちろん、コンピュータサイエンスを学習しながらプログラミング言語の学習も行えば、理解はより深まるでしょう。