2011年夏の電力供給はなんとか足りそうだが、原子力発電所の定期検査に入る2012年頃には供給力が足りなくなる可能性がある。
東京電力が供給している電力のうち、2011年6月現在、原子力発電は柏崎刈羽原子力発電所の1、5、6、7号機が稼働中で合計約450万kW分が供給されている。
原子力に限らず発電所には定期検査が必要になる。原子力発電所の場合、定期検査は短くて3から4ヶ月ほどかかり、その後1年間程度運転する。
現在運転中の柏崎刈羽原子力発電所の場合、運転時期から考えると、1、7号機は夏から秋に、5号機は冬、6号機は春に定期検査に入る計算となる。
定期検査後の再稼働には、発電所周辺を中心に国民の中に強い反対感情があり、簡単にはできない状況になっている。
つまり、原子力発電所が再稼働しなければ、2012年春には原子力発電所はすべて止まり、現在供給されている電力の約450万kWが減ってしまう。これは2011年6月現在の供給能力の10%にあたる。
今後、1年のうちに原子力以外の発電能力は増えるだろうが、来年以降の供給能力が減り、2012年以降はよりいっそうの節電が必要になる可能性がある。