ソニーのハンディカムは2009年春モデルで、かなりの進化を遂げたが、2010年春モデルでも他社を圧倒する進化を遂げている。
特に、自社以外ではほぼ使われていないメモリカード規格のメモリースティック系列だけではなく、SDカードにも対応した点は非常に大きい。
また、ビデオカメラは従来運動会使用とでも言おうか、ズーム性能ばかりが注力されていたが、コンパクトデジカメと同様に広角にも対応した。
この2点は非常に大きく、1年前のモデルの手ぶれ補正機能の強化に加え、まさに最強のビデオカメラと言っても過言ではない。
足りない部分を探すとしたら、内蔵ビデオライト、今後登場するSDXCやUSB 3.0の対応くらいだろうか。これらの機能は将来のモデルでは対応するだろうが、当面必須な機能ではなく、現行の機能で必要十分な機能がある。
マニアックに言えば、映像記録方式でAVCHD以外などを選べるようになればさらにいいが、この辺はコンシューマー向けであり将来のモデルでもあまり期待できない。
ユーザーとしてもっともわかりづらいのは、今回登場したのは6モデルもあり、用途に合わせて選べるのはいいが、どれを選んでいいかわかりづらいという点だ。
ここで、各モデルの機能を比較してみよう。
CX550V | XR550V | CX370V | XR350V | CX170 | XR150 | |
主記録メディア | メモリー | HDD | メモリー | HDD | メモリー | HDD |
主記憶容量 | 64GB | 240GB | 64GB | 160GB | 32GB | 120GB |
対応メモリーカード | メモリースティック PRO DUO、SDHCなど | |||||
レンズ | 29.8-298mm | 29.8-357.6mm | 37-1075mm | |||
手ぶれ補正 | 光学式 | 電子式 | ||||
ビューファインダー | あり | なし | ||||
参考価格 | 13万円 | 15万円 | 11万円 | 12万円 | 7万円 | 7万円 |
こう比較してみると、それぞれのモデルの大きな違いは、HDDかフラッシュメモリーか、容量は、レンズ性能と、手ぶれ補正機能と、ビューファインダーのあるなしだ。
今回のモデルからSDカード系列に対応したことと、内蔵フラッシュメモリーが64GBになったので、容量ではあまり悩む必要がなくなった。
一般的には1週間程度の旅行でも64GB程度あれば標準的にHD画質(17Mbps)で8時間弱撮影できるので十分。不安ならさらに32GBや16GBのSDHCカードを予備として持っていれば十分だろう。
広角性能は室内などで撮影するには必須の機能と言える。
運動会などではズーム機能も必要かもしれないが、あまりにも顔をアップにするとカメラを動かす必要があり、素人の撮影では見るに堪えないカメラワークになりがちだ。
300mm程度の光学ズーム性能があれば、それなりに拡大できるので、必要十分と言える。
価格などのバランスを考えると、CX370Vは万人にお勧めのモデルになるだろう。
より高性能な物が欲しければ、CX550Vも悪くない。