前回書いた「MacBookの次期ラインナップはどうなるか?」では実売7万円台程度のMacBookが出ると驚異的ということを書いたが、2009年10月21日(日本時間)発表された物は全く異なる物だった。
今回、MacBookに加えて、iMac、Mac miniが一新され、マウスもタッチテクノロジを採用するMagic Mouseが追加された。
こうしてみると、Appleは市場が変わろうとしていても、機能を絞った物ではなく、ある程度の性能を持った製品をリリースすることを前提としていて、それを変えていない事がよくわかる。
もしも、MacBookが機能を絞って、2割程度価格を下げたとしたら、8万円程度がボリュームゾーンのWindows系製品と直接競合したことは間違いない。しかし、そうはせず、そのWindows系ボリューム製品よりも少し上の価格帯で、さらに上の機能、デザインを採用する製品を採用し、Windows系よりも付加価値が高いという点を魅力にしているようだ。
それがよくわかるのが、現行の上位モデルMacBook Proの下位機種(123,840円)と同等の性能を新MacBookが持っていると言うことだ。
もちろん、筐体の材質や機能に若干の差はあるが、一般ユーザーにとってみると、機能の差(FireWireポートのあるなしなど)はどうでもいい点で、2.5万円の差は筐体の材質でしかない。
MacBook Proがアップデートされるのはインテルのモバイル用Core i5などがリリースされる年末から2010年初頭になりそうだが、それまでは現行MacBook Proの下位機種とMacBookは機能が逆転することになる。
それでも、売れ筋のホリデーシーズンの購買シーズンに合わせて、アップルにとってボリュームゾーンとなるMacBookを現行のMacBook Proと同等の機能までアップデートした。
これと合わせてiMacも機能を向上させ、Mac miniもSnow Leopard Server対応モデルまでリリース。さらに、マルチタッチ対応のMagic Mouseも発表するなど、単に価格だけではなく、新テクノロジーを採用した製品も意欲的に投入。
新テクノロジーを採用といえば、サイズや重量ばかりの日本企業とは異なる方向への進化。
さらに、本来のパソコンの持つ機能は妥協せずに、iMovieでのビデオ編集、Mobile Meでのクラウドコンピューティングなど、新しい活用方法を提案し続けるApple製品はこれからも目が離せない。