最近のOSは非常に優秀で、例えばWindows Vista以降では画像や音楽などの各種データを家庭内で共有できる機能が備わっています。
音楽管理ソフトのiTunesも曲データの共有機能は年々充実していますし、OSやアプリケーションソフトレベルでの共有機能は今後も強化されていることが予想されます。
しかし、これらの機能は元データが入っているPCが立ち上がっていなければ使えません。
例えば、自宅にデスクトップパソコンと、ノートパソコンがあり、デスクトップパソコンに音楽データやデジカメの画像を入れているとします。
デスクトップパソコンでは問題なくデータを参照できますが、共有機能を使う場合、ノートパソコンからいつ使うかわからないため、常にデスクトップパソコンを立ち上げていなければなりません。
WOL(Wake On Lan)という、LANを使いネットワーク越しにPCを立ち上げる機能もありますが、立ち上がるのに多少時間がかかったり、その設定が簡単ではないなど問題もあります。
もちろん、この場合、デスクトップパソコンを立ち上げていればいいのですが、発熱や騒音、なによりも消費電力という点で問題です。
共有データを入れるPCをノートパソコンにするという方法もありますが、それなりの容量のあるノートパソコンが余っていれば別ですが現実的ではないでしょう。
そこでおすすめなのがNASです。
NASとは、Network Attached Storageの略でネットワーク接続ストレージというような意味で、ネットワークにHDDなどをつないでしまう機械のことです。
パソコンとは違い、単にデータを保存するしか機能がないため、消費電力が小さい、小型という利点があります。もちろん、騒音もほとんどありません。
ネットワーク接続ということで難しそうですが、一般的には電源とLANケーブルを接続し、付属のユーティリティソフトなどで設定をするだけで使用できます。パソコンでネットに接続できるくらいのスキルがあれば誰でも設置、設定が可能です。
価格も、容量や機能などで異なりますが、2009年9月時点で500GB程度の製品が1.5万円程度で販売されています。
業務用の製品は非常に高価ですが、バッファローやアイ・オー・データなどの、パソコンの周辺機器ではおなじみの会社からも一般家庭向けに販売されています。
NASの中には超小型のコンピュータのような物が入っていますが、パソコンのように高機能ではないので、消費電力が非常に小さく、電源を入れっぱなしでも電気代を気にする必要はありません。
それでも気になる方向けに、アクセスがない場合はHDDを停止するなどの機能を持った物、ノートパソコンと同じ低消費電力の2.5型HDDを使った物などバリエーションは豊富です。
このNASに共有するデータを保存することで、自宅のネットワークに接続すればいつでもデータを取り出せます。
また、データのバックアップ先をこのNASにすることで、余計なケーブルや周辺機器を必要とせずバックアップをとることが可能になります。