学校の試験対策等を除くと、英語学習の漠然とした最終目標は、会話で不自由しない、文章がすらすら読めるようになるなどだと思います。
これでは漠然としすぎていてよくわかりません。学習でやるべき事を明確化するために、目標をよりはっきりさせる必要があります。
一般的な英語学習の明確な目標
会話で不自由しないは、相手の言っていることが聞き取れるようになり、聞き取った内容も理解出来るようになる。自分で話したいことを言えるようになる。
文章がすらすら読めるようになるは、書いてある内容を読んで、しっかり理解出来るようになることになるでしょう。
英語学習で難易度が高い会話
英語で難易度が高いのは会話です。
相手の言っていることをリアルタイムに聞き取り理解し、自分の言いたいことを言わなければなりません。しかし、そのシチュエーション、雰囲気などからなんとなくの理解は可能で、単語を言えれば、相手になんとなくは伝わります。
一般的な日常会話の場合は、慣用句が使われることが多く、短い文章、簡単な単語を言っているのに、その慣用句の意味がわからないようなこともありますが、なんとなくの雰囲気で適当にやり過ごすこと自体は可能でしょう。
何よりも難しいのが、自分が言いたいことを言えるようにするという事です。
そのためには英作文が出来るようになる必要があります。作文が出来れば、その内容を喋るだけなので、発音さえおかしくなければ、相手に主張は伝わるようになります。
最終目標を達成するために必要な事
最終目標から逆算していくと、どちらの場合にもまず必要になるのが文章の読解力です。
文章を初めから読み進めて、しっかり読解が出来る状態になっていないと、リアルタイムに流れていく会話の内容も理解する事が出来ません。当然ながら、相手の言っていることを聞き取るリスニング能力も必要になりますが、リスニングした内容を、順次理解して行くことが必要です。
ポイント リスニングが出来れば、相手の言った内容は聞き取れる。読解力がつけば、文章は読めるし、相手が言った内容も理解出来る
文章を読む場合は、理解さえ出来れば良いですが、会話の場合は相手が言った内容に対して、自分から反応を返さなければなりません。
前述したように、単語さえ言えればなんとなく伝わるかも知れませんし、この時に文法がめちゃくちゃでも相手は理解してくれるかもしれません。日本語で多少言い間違えても相手は理解するように、多少の言い間違い程度なら問題ないですし、会話ではよくわからない事を聞き返すのもどの言語でも当たり前にあるので、1回で完璧に聞き取る必要も無く、完璧な文法で話す必要は必ずしもありません。特に外国語として喋っている場合には、相手は聞き取る努力をしてくれるのが一般的です。
正確で知的な英語を話せるようになるのが理想でしょうが、まずは、自分の言いたいことを単純化してしゃべれるようになる必要があります。このためには、簡単な事を瞬時に言えるようにすることから、英作文能力を順次磨いていく必要があります。
もちろん、発音の練習も欠かせません。
ポイント 言いたいことを言えるようにするには瞬時に作文できるようにする必要がある。発音も重要。
作文の際は、自分の言いたいことを単純化して、自分が言える内容に日本語を単純かする翻訳作業も必要です。「近くにあるトイレはどこにありますか」ではなく「トイレはどこですか」のようにするということです。
この場合は「トイレ」の英語を言えるだけでもなんとなくは伝わります。つまり、まずは必要なことはよく使う単語は覚える事です。
手っ取り早く日常会話を出来るようにする方法
日常会話を出来るようにする基本は、文章を読解できるようにして、相手の内容を理解し、英作文を出来るようにして自分の言いたいことを表現できるようにすることです。
このためには、単語、文法、英文解釈、発音、リスニングなど一通りの学習が必要で、道のりはかなり長いです。
より簡単に日常会話をできるようにする方法もあります。
それが、日常会話の基本的なフレーズをすべて覚えてしまうと言う方法です。
例えば、海外旅行での一般的な会話は、空港での入国審査、ホテルのチェックイン、店での買い物、レストランでの注文、現地施設のチケット購入くらいしかありません。
これらで言われる内容はほぼ定型文言なので、すべて覚えて、それに対する反応も覚えてしまえば、なんとなくの会話は可能になります。
後述しますが、定型文言を覚える場合には正しい発音で覚えることも重要です。
ポイント 海外旅行で困らない会話を手っ取り早く出来るようにするには、定型文句を覚える
例えば、お店で買い物して、レジで会計する際、英語圏ではよく「Anything else?」などと聞いてきます。日本語にすると他に何かありますかのような意味です。日本語圏ではない会話で、突然言われて何を言っているのかわからないになって、適当にYesとか言うとややこしくなってしまいます。
このため、定型文句を覚えてしまうことは、文法から学習するような場合にも英会話学習という意味では有効な学習方法になります。
手っ取り早く英文読解できるようにする方法
結論から言うと、手っ取り早く英文読解をできるようにする方法はありません。
単純な文章の場合なら、単語さえわかれば、なんとなくはわかるようになりますが、複雑な文章になると、単語がわかっても文章の意味はわからない状態になります。
これを解消するには読解できるようにする必要があります。
そのためには、読解のための文法を出来るようにする、慣用句や熟語、各単語の意味や品詞とわかるようにする必要があります。
日常会話、案内板に書いてある内容をなんとなく理解するレベルの読解力なら、単語力さえ身につけて、単語を並べて意味を読み取ればなんとかなるでしょう。
このために必要なのは中学卒業、高校受験レベルの単語力3000語程度でしょう。一般的に3000語覚えれば、一般的に使われている93%の単語は理解出来るとされています。このレベルから単語数を1000語ずつ増やしても1%程度しか増えず、9000語でようやく98%とされています。
つまり、単語を覚える初期段階での目標は中学レベルの3000語です。
ポイント 中学レベルの3000語を覚えれば一般的に使われる93%の単語は理解出来る
単語を覚えるとは、まず目指すのは、単語の意味を一瞬で日本語に出来るようにすることです。
dogをみたら犬と一瞬で言えるように、concernは心配する、considerは考慮する、consistは構成されていると一瞬で言えるようにする単語を3000語にするという事です。
一般的にdogを一瞬で犬と言えるくらいの単語力は、英語が苦手な日本人のほとんどが身につけています。考えればわかる程度の単語含めて1000語から2000語くらいは誰でも知らない間に身についているので、3000語までにするのはそれほど時間はかかりません。
この中学レベルの単語学習で重要なのは、発音含めてしっかり学習し直すことです。
例えばpreventは妨げるという意味の単語ですが、これをローマ字読みして、プレベントと読む方も多いと思います。
プレベントと覚えていると、会話相手から /prɪˈvɛnt/ と正しい発音で言われても理解出来ません。正しい発音をあえてカタカナで書くとプリヴェントになります。しっかりプリヴェント、/prɪˈvɛnt/で覚える必要があります。
前述した定型文言では、ネイティブの通常の発音で学習します。
これにより、文章にしたときの、弱形、リンキング、アシミレーションなど英語特有の音の変化もしっかり学び、実際のリスニング力の強化にも活かします。
ポイント 単語学習では正しい発音も身につけよう
こうやって、簡単な英文なら文法をしっかり理解していなくても、単語から文章の推測がある程度出来るようになり、相手が言っていることもある程度わかるようになります。
ポイント 単語さえわかれば単純な文章、言われたことならなんとなくの意味はわかる
その上で、なんとなくの意味ではなく、しっかり文章を理解する、より複雑な文章を理解するには、文法や英文読解の学習が必要になっていきます。
手っ取り早く英語を出来るようにする方法まとめ
日本人が海外旅行などに行った際に、ある程度困らないようにするには、定型文言を覚える、意味がわかる単語数を増やすことで、手っ取り早く出来るようにすることが出来ます。
定型文句、単語含めて正しい発音で覚えるのが重要です。
ローマ字読み、カタカナ英語で覚えていると、相手が言った正しい発音と違いすぎて聞き取ることが出来ないし、自分の言いたいことも伝わりません。
手っ取り早く英語を出来るようにする方法
- 正しい発音で単語を3000語覚える
- 定型文言を正しい発音で覚える
これで出来る事
旅行程度の会話なら何とかなる。単純な文章ならわかるようになる。
出来ない事
複雑な文章、聞いた事ない内容は理解出来ない。