4K対応機器を買うのは2012年現在まだ早い

4K対応機器は業務用分野、特に撮影などの分野が本格化したのが2010年頃からで2012年頃になってようやく、撮影用機材がそろいつつあるという状況だ。
民生用に使える機材は、非常に高価なプロジェクターや、アマチュアでも何とか使えるビデオカメラなどいくつかあるが、ほとんど無いと言ってもいいだろう。

そんななか、東芝の4Kに対応したテレビなども登場しているが、4Kには根本的な問題がいくつかある。

接続をどうするか
現在4Kの解像度を機器同士接続するにはコンポーネント、HDMIやDisplayPortなどいくつか考えられる。現在一般に普及しているのはHDMIだが、HDMI 1.4で4Kに対応したとはいえ、30Hzまでの対応なので60pに対応できない。
これが対応する規格が登場するのは2012年後半で、2013年頃にならないとHDMIケーブルでどうなるのか実機が見えてこない。
HDMIは主に民生用機器に対応した規格だが、そもそもソフトがどうなるのかわからないと4Kにする意味も無い。

その点で、コンピューター用のディスプレイとしては4Kは意味がありそうだ。
コンピューターはディスプレイが高解像度化する流れにあるが、これに接続する場合、DisplayPortを使うだろう。このDisplayPort規格1.2ではすでに4Kへ対応済みなので、4Kは基本的に問題なく使える。

機器が非力で4Kの意味が
しかし、表示自体はよくても、4Kの処理には負担が大きく、4K対応機器を購入したとしても、フルHDですらなんとか処理できるようになったコンピューターにさせるのはこくだ。
単純計算でフルHDの4倍の処理能力が必要になるため、コンピューターの容量、処理速度が現在の2倍以上にならないと、4Kを快適に扱えるようにはならないだろう。
これにはまだ数年かかる。

ソフトが無い
4Kでの楽しみは映画などの高画質コンテンツだ。
しかし、テレビ放送で4Kを楽しめる時代はあと10年はこないだろう。ネット配信の場合、フルHDの4倍の容量が必要になるので、光回線などは必須となる。
ネット配信自体は、いつ始まってもおかしくは無いが、配信が始まったとしても、フルHDよりプレミアムなコンテンツとして価格設定も高価になるだろう。
そもそも、2013年に始まったとしても、それを楽しめる人はどれだけいるのだろうか?

将来は、フルHD以上の高画質の4Kは当たり前になるだろうが、2012年現在、撮影、表示などすべての面で課題は多く、一般ユーザーは無理して4Kへの投資をする必要は無い。
もちろん、4Kの下準備をしておいて損はなだろう。

その4Kが普及した頃には8Kも出てくるが…

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