Amazon.comが販売する電子書籍端末のKindleの最新版が2010年8月に発売になる。
第三世代になることから、一般にKindle 3などと言われているが、この新端末にはいくつかの特徴がある。
その中でも注目なのが、価格と、新言語対応だろう。
価格はBarnes & NobleのNOOK(Wi-Fi版)が$149のところ、Kindle 2(3G版)は$189でまだ割高感があった。
Kindle 3はWi-Fi版も追加され、最低価格は$139からとなり、電子書籍端末としては最安値となる。
これは、日本円で13,000円程度と従来機種に比べかなり割安感がある。今後、さらに数が出るなら、さらなる低価格化も期待できそうだ。
それに加え、日本のユーザーなどにうれしいのは日本語や中国語、韓国語に対応したという点。
情報としては Amazon.com のKindleサイトにおいて
Support for New Characters
Kindle can now display Cyrillic (such as Russian), Japanese, Chinese (Traditional and Simplified), and Korean characters in addition to Latin and Greek scripts.
と、書かれているだけでそれ以外の情報がないが、少なくとも最新のKindle 3ではロシア語、日本語、中国語、韓国語などが表示できるようになる。
従来モデルの対応、日本語入力による検索など、スピーチ機能、フォントの種類など気になる点はいくつかあるが、今後出てくるだろう情報を期待したい。
なにより、この機能は日本人ユーザーなどにとって利便性の向上だけではなく、電子書籍市場の行方も左右しかねない。
AmazonのKindleで提供されている書籍は、Kindleの専用端末だけではなく、iPhoneやWindows PC、Macなど様々な端末で表示できるようになっている。さらに、Digital Text Platform(DTP)という出版社を通すことなく、Amazon経由で文章を販売するシステムも整備されている。専用端末が対応することでDTPも日本語などに対応するようになるだろう。
日本の出版社がKindle用に日本語書籍を用意することは当分無いかもしれないが、それにとらわれない個人がKindle用にDTPで日本語コンテンツを公開する可能性はある。これはアマチュアだけではなく、iPad用などに提供していることもある有名作家の参加もありうるだろう。
電子書籍で唯一成功したとも言えるAmazon Kindleはさらなる成功を目指していることは確かだろう。