iPadのSIMロックは百害あって一利なし

日本国内におけるiPadの予約が2010年5月10日に始まった。
これに先立つ2日前、ソフトバンクもiPadを販売し、iPad用の3Gデータ通信サービスを提供することを発表したが、SIMロックに関する情報が錯綜していた。

当初、ソフトバンク販売分はSIMロックされているが、Apple直営店で販売する物はSIMロックフリー(アンロック)版になるなど様々な情報が流れていた。
結局、日本国内で販売されるiPad Wi-Fi + 3GはソフトバンクのSIMロックがかかることが公表された。

iPadがアメリカで発表されたとき、3G対応版はSIMロック無しで3Gは好きなときに契約でき、いつでも解約できるという方式で、これが全世界でも適用されると予想されていたが、日本では携帯電話と同様にSIMロックされた状態での販売となる。

日本国内においてiPadで3G回線を頻繁に利用する方には、電波の品質などはともかく、不便な部分はほとんど無いが、そうではない方にはデメリットでしかない。

例えば、海外在住者がiPadを日本に持ち込んだ場合。
日本ではSIMロック版しか販売されていないので、ソフトバンクがiPad 3G用のSIMカードだけを販売しない可能性もある。その場合、海外からiPad持参できた方は、どうやって3Gネットワークに接続するのだろうか?

また、日本の3G版iPadを海外に持って行ったとき、ロックがかかっているので現地のSIMカードを購入し、現地で短期間契約しiPadを3Gネットワークに接続することが出来ない。
もしも使うなら、現実的ではないローミングの料金で使う事になるのだろうか。

また、料金設定も携帯電話のように複雑な2年契約のものだが、このような複雑で長期間の契約を避けたい人には3G版は避けたくなるだろう。

さらに、このようなデバイスは、毎日のように持ち運ぶ方もいるだろうが、一ヶ月に数回しか持ち運ばない方も多いだろう。そのような方にとっては1日プランなどを用意して3Gのネットワークを時々使えるようにした方がいい。しかし、現在の料金プランではそれがない。

このSIMロックは、国外でiPadの3Gネットワークを使いたい方には、日本国内版の購入はデメリットでしか無く、百害あって一利なしと言える。

携帯電話のSIMロックも議論の的になっているが、このようなユーザー無視の契約を押しつけるのではなく、料金やネットワークの品質などで公正に競争し、その上でユーザーに選ばれたサービスが生き残っていくべきだろう。

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