土曜日, 9月 30, 2023
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ネットブックの基礎

ネットブックが安く小型なのは、HDDではなくSSDを採用したことも大きな要因です。 2007年末に登場したEee PCは4GBのSSDを採用した製品でした。この製品のサイズでHDDを搭載するのは不可能ではありませんが、日本メーカーの製品のように、高度な設計で高コストの技術を採用する必要があります。 Eee PCはコストを抑えなければならないので、コストのかからない技術を採用しなければなりませんが、その場合HDDは入りません。 そこで採用されたのがSSDです。SSDはフラッシュメモリを使用する記録メディアで、デジタルカメラなどでも採用されています。フラッシュメモリのコストも2007年頃から急激に下がりはじめ、Eee PCには4GBのSSDが採用されました。 Windows XPを採用するには容量もギリギリですが、コスト、サイズなどのバランスを取ると4GBのSSDがギリギリだったのでしょう。 HDDはある程度のサイズが必要で、Eee PCのような製品では、ショックに耐えるようにする必要があるなど、コストも高くなります。SSDは使用するモジュールにもよりますが、HDDに比べるとサイズが非常に小さく、振動などにも強いため、持ち運ぶことが多い製品には最適です。 Eee PCが売れたことから、それ以降のEee PCや他メーカーの製品では、HDDが入る設計を採用した物も登場しました。 まだまだ、SSDのギガバイトあたりのコストはHDDに比べると高いため、ある程度の容量を確保するにはHDDが最適です。 将来を考えると、HDDはモーターなどの部品があり、採用した場合、最低でも数千円のコストがかかります。 しかし、SSDは半導体とその基板しか構成部品がないため、将来フラッシュメモリのコストが下がれば、数百円で採用可能となります。 今でも、2GB前後のSDカードは数百円で購入できますので、現行のネットブックと同等性能の製品は、今よりも数千円下がるのは確実でしょう。
2008年から本格的に販売が始まったネットブックですが、この成功にはインテルのAtomプロセッサーの存在が欠かせないでしょう。 Atomプロセッサーは当初、産業用機械などに組み込まれるCPUや、手のひらにのせて気軽に使える電子手帳(Mobile Internet Device:MID)のような用途向けプロセッサーとして計画されていました。 しかし、Atomプロセッサーが発表された2008年前半にコンピュータ業界で注目されていたのは、このネットブックです。 ネットブック(Netbook)という名称が始めて登場したのは、2008年3月にドイツで行われた展示会CeBITでのインテルの発表会でのことのようでしたが、ASUSのEee PCが人気であることから、インテルもネットブックという新たなカテゴリを作り、そこにAtomプロセッサーを投入していくことを決めたようでした。 Atomプロセッサーは、もともと手のひらに乗るくらいの小型製品に採用されることを目指して開発された製品で、非常に小型、低消費電力であることから、ネットブックにも最適な製品でした。 なによりも、CPU自体のコストが低く、価格も安くできるため、コストダウンにもつながっています。 ネットブックが発売された当初は、インテルのCeleronやAtom以外にも、VIAのC7などのプロセッサーを採用したネットブックがありましたが、2008年後半にはほぼすべてのネットブックはAtomプロセッサー搭載になりました。 これも、Atomプロセッサーがコストや性能面で非常に優秀なことを表しています。 CPUに加えて、さらに小型、低コストに貢献したのはフラッシュメモリです。
ネットブックは5万円程度で販売されています。 各種通信サービスの加入を条件に100円など、ほとんど無料で販売されることも多くなっていますが、なぜここまで安いのでしょうか? ネットブックの原型とも言える製品が登場したのは、2007年6月の台湾で行われたコンピュータ関連の展示会Computex TAIPEI 2007のインテル基調講演でのことでした。 教育市場向けのパソコン開発は2009年現在でも、様々な製品が登場していますが、その頃熱かったのが、発展途上国の教育市場向けパソコンです。 OLPC(One Laptop Per Chiled)など様々なプロジェクトがありましたが、インテルが推進していたのはClassmate PCというもので、ここに向けた低価格な製品としてEee PCが公開されました。 価格は$199(2万円)としてASUSのEee PCが紹介され、パソコンも2万円程度になると話題になりました。 価格を抑えるために、最低でも10型程度だった液晶を7型に、HDDはなし、メモリも通常の半分以下などにした仕様でした。 その後、2007年11月に台湾やアメリカで販売した際、$199は無理だったようで$299という価格になりましたが、当時ある程度軽量で小型のノートパソコンが3万円程度で購入できるとあって世界中で話題となりました。 これに採用されたOSはWindowsではなく無料のLinux、CPUはインテルのCeleronなどの機能の低い物でしたが、大人気となり、この人気に押されてか、Windowsを通常より価格を下げて提供し、2008年になると日本など世界各国で販売が始まりました。 この人気はそのまま続き、ASUSの人気に続こうとAcerやMSIなど台湾系パソコンメーカー各社もこの市場への参入を公表しました。
ネットブック(Netbook)はインテルが提唱した、新しいカテゴリのノートパソコンを表す名称です。 わかりやすく書けば、低価格で小型のノートパソコンを「ネットブック」としています。 一時期、UMPC(ウルトラ・モバイルPC)という呼ばれ方をしていた時期もありましたが、販売店などが便宜上つけた名称で、今ではネットブックという名称は世界中でほぼ浸透したようです。 どのパソコンがネットブックかは判断が難しい部分もありますが、液晶サイズは10型前後で、価格が5万円程度のそれほど機能が高くないノートパソコンがネットブックに分類されます。 さらに細かくみれば、マイクロソフトとインテルが一般には公開されていない、いくつかの要件を設定していますが、HDD容量などのトレンドは数ヶ月おきに置き換わるため、日々更新されているようですが、液晶サイズが10型程度までというのはほぼ固定になりました。 マイクロソフトはネットブックのことをウルトラ・ロー・コストPC(ULCPC)としています。マイクロソフトによるこの名称は、OSのライセンスコストがネットブックでは異なることを表しています。 ネットブックに張られているOSのライセンスシールには、他のパソコンとは異なり、ULCPCによるライセンスであることが表示されています。 OSのライセンスコストも公開されていませんが、5万円程度のハードウェアコストに見合う価格の5千円程度で提供されていると想定されています。 ネットブックが安い理由はいくつかありますが、性能があまり高くない低性能な製品で、OSなどを含め各種コストを抑えた製品として仕上げているからです。 ネットブックが安い理由 1 Eee PCの登場 2 Atomプロセッサーの登場 3 SSDの採用