日本人が外国語を学習する場合、わけのわからない文法を教わりますが、なんで学習するかもよくわからないうちから、文法というよくわからない物を学習させられます。
国語(日本語)でも、小学生から徐々に、中学生くらいから本格的に日本語の文法を学習します。言語における文法という概念自体を、よく理解しないまま学習している方がほとんどだと思います。
母語が日本語の日本生まれの方は学校での文法学習をよく理解していなくても、何の問題なもなく日本語を使って生活出来ているでしょう。文法は学生自体のテストのためで、言語をより深く知ろうと思ってやっていなかったと思います。
中学校から本格的な学習になる英語でも、何とかテストで不合格にならない位は点数取れても、文法は実質何もわかってない状態で英語学習を終わらせている方がほとんどではないかと思います。
その結果、英文法などがネックになって英語が苦手になってしまう方、中学高校と英語を学習したつもりだけどさっぱりわかってないパターンが多いのではと思います。
そもそも、言語における文法とは何かの全体像を理解していないまま学習した結果、最終的によくわかっていない方が多いのではと思います。
各言語は基本的に単語とその並びのルールとなる文法が違うだけ
各言語は単語がそれぞれ違い、基本的にその単語の並び方が違うだけです。この並び方が文法です。
日本語 「私は日記を書く。」
英語 「I write a diary.」
日本語の場合は「私は日記を書く。」のように、主語の「日記」、目的語の「日記を」、述語の「書く」の順に並べます。主語を省略することもよくあり、文章の最後に「。」がつきます。横書きの場合は左から、縦書きも可能で、上から書きます。
英語の場合は「I write a diary.」のように各単語間はスペースを空けて主語の「I」、述語の「write」、目的語の「a diary」文章の最後に「.」がつくというルールです。横書きするのが基本です。
この並び順などのルールが、各言語における文法です。
知っている人もいるかも知れませんが、同じ意味の文章をよく知らない言語の場合で見てみましょう。
ウクライナ語「Я пишу щоденник.」
韓国語 「나는 일기를 쓴다.」
ウクライナ語の場合、「Я」が主語、「пишу」が述語、「щоденник」が目的語。単語間はスペースを空ける、文の最後は「.」で英語似ています。名詞に性があり「щоденник」は男性名詞です。並び順のルールがわかれば、それぞれの単語の意味は書かずにもわかると思います。
韓国語の場合、「나는」が主語、「일기를」が目的語、「쓴다」が述語です。語順は日本語と同じです。
単語間にスペースを空けますが、英語のようにすべての単語にスペースを入れるのではなく、「나」は日本語では「私」、「는」が日本語では「は」に当たる助詞で、ここにはスペースは入れず、スペースは言葉の働き、文節毎に開けます。文末は「.」です。
縦書きもありますが現在は一般的ではないようです。
このように、基本的に各言語は単語が違い、その並び方となる文法が違います。
細かいことを書くと、日本語は動詞の活用などの語形変化がある膠着語、英語での語形変化は限定的な屈折語などの違いがありますが、このような様々な違いが各言語における文法です。
細かな違いや文章の正確性はともかく、基本的にはそれぞれの単語をその文法規則に沿って並べれば大まかな意味は通じます。
一般的な学校英語ではこのような文法とは何かという全体像がよくわかっていない間に、細かな文法項目の学習をします。
今回の例では「a diary」と目的語の名詞の前に冠詞がついていますが、aなのかanなのかtheなのかなど、細かいことばかりをやり始めています。結果よくわからなくなってしまっているのではと思います。
よくわからない状態になって、単語と並び方を間違えると次のような悲劇が生まれます。
日本人が外国に行った場合、ホテルなどでタクシーを呼んでもらう時に、英語で「呼ぶ」は「call」だからと単語を適当につなげて、「call me taxi.」と伝える事があるようです。
英語圏の人は動詞のcallの後には目的語(me)と補語(taxi)になると思うので「呼ぶ・私を・タクシーと」だと考えるのが通常です。タクシーを呼んでくださいと言おうとして「call me taxi.」と言うと、「この人は自分のことをタクシーと呼んでほしいと言っているんだろう」ととらえられてしまうのが通常です。
外国人が多いホテルなどでは、デタラメの英語で「taxi」という単語が聞こえたからタクシーを呼び出せばいいんだろうなと受け取ってもらえるでしょう。そういった人ではなければ「Taxi」さんと呼ばれるだけです。
「呼ぶ、私を・私に、タクシー」ではなくて「私は、必要、タクシー」で「I need taxi.」と出来れば、意味は伝わるでしょう。もしくは、ホテルなら「Taxi」で伝わります。
文法的に正しい表現は
Please call a taxi for me.
I need a taxi.
などになります。
このように適当に単語を並べるだけでは言いたいことが伝わらなくなることが、細かいことはともかく文法という全体像を知ればよく理解出来ると思います。
また、このような言語毎の文法ルールは微妙に違えど、単語とその基本ルールがわかれば、各言語もわかるようになることが理解出来ると思います。
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