英文読解とは英語の文章を読んで理解することで、英文解釈などとも言われます。
単純に何となく訳せれば良いのではなく、どれが主語で述語か、どれがどこに修飾しているのかなどを理解し、しっかりと文章の内容を文法レベルで正しく理解し解釈できることです。
これを出来るようになるには、単語や熟語の意味、それぞれの品詞、句や節、それぞれの働きなどを理解出来る必要があり、文章がどの文型なのかなどを理解出来るようにする必要があります。
そのためには、英文法をしっかりと理解していないと出来ません。
一般的な英語学習ルートは、単語・熟語、文法、構文、英文読解・解釈、長文などになります。
この英文解釈が出来ないと、複雑な文章は単語をつなげただけの何となく理解しかできなく、実際に複雑な文章になると単語からの推測も出来なくなっていきます。
つまり、英文読解が出来ないと、正しく英文を読解できないということです。
ここで良く勘違いする方は、すべての英文で主語や述語などを考えて一文毎に訳しながら読まなければいけないのではと思っているようです。
これは解釈を出来るようにする学習の段階では、主語や述語などの文の構造の理解は必用ですが、意識しないでも文の構造がわかり、いちいちどれが主語かなどと考える必要が無くなるくらい学習するということです。
また、日本語への翻訳も、直訳で出来るようになれば十分ですが、すべての英文を直訳する必要も無いです。英語のまま直読直解できるないようなら、翻訳せずにそのまま理解してしまえば良いです。
直訳はともかく、日本語として美しく翻訳できるようにするというのはまた別の学習になります。
そんな英文読解はどう進めていけば良いかを解説します。
英文読解とは何をやるか
英文読解や解釈とは何をやるかを実際の英文でみてみます。
Challenging indeed is the marathon, pushing the human body to its limits, yet rewarding the persistent with unparalleled fitness and mental fortitude.
という英文なら、難しい単語、構文になっていますが、多少の単語知識があれば、何となくわかりそうな感じがあります。
難しい単語がわからない場合は「マラソンのチャレンジと人間の体、マラソンすることで得られる事」について書いているっぽいことが何となくわかるかも知れません。
難しそうな単語の意味は次のような感じです。
indeed 確かに
pushing 押すすすめる
rewarding 報われる
persistent 粘り強い
unparalleled 比類のない
fortitude 不屈の精神
これらの単語の意味がわかれば、英文の構造がよくわからなくても
「マラソンは体の負担が高くて非常に厳しいが、強い体と、不屈の精神をもたらす」
みたいな意味だろう事が予想出来ると思います。
この例では何となく意味を理解したっぽいですが、文章の細かなニュアンスなどはよくわからない状態ではと思います。
正しく理解するためには単語はもちろん、主語や述語、文型などその文章の構造をしっかり理解する必要があります。
逆に言うと、単語の意味がわかっても、英文の構造がわからないと正しく文章の意味は理解出来ません。
この文章は文型で言うと第5文型ですが、主語と述語がかなりわかりにくく、文型の判断も困難でしょう。
初めに倒置が入っており、The marathon is indeed challenging とするのが語順としては通常ですが順番が入れ替わり、Challenging から始まっています。
Challenging indeed が補語(C)で、is が述語動詞(S)、主語(S)は the marathon です。その後に目的語(O)が続きます。第5文型は通常SVOCですが、CVSOの語順になっています。
通常、初めに主語と述語を探します。述語が is だとわかっても、主語はどれかわかりにくい、倒置を使ったマラソンの挑戦的な側面のニュアンスを強調した文章になっています。
pushing the human body to its limits は分詞構文で、その後の yet は前後の文章を対比しています。yet 以下の文章も分詞構文です。
倒置をしない場合 The marathon is indeed challenging で「マラソンは確かに挑戦的である」というニュアンスです。
倒置した Challenging indeed is the marathon の場合は「確かに挑戦的なのはマラソンである」と挑戦的なことを強調しています。
目的語の分詞構文は、今回の場合は前半の主節の主語であるマラソンを意識して訳する必要があります。
文章を正しく理解し、訳すためには、文章の構造をしっかりと理解する必要があります。
訳すまではやる必要はありませんが、このような複雑な文章の場合で慣れない場合は、いったん直訳が出来るくらいの練習をして、自分がどのくらい理解出来ているかを視覚可した方が効果的です。
文法が理解出来ていない場合は、何となくは訳せているっぽくできますが、文章をしっかり理解出来ている状態にはならず、それっぽい翻訳っぽくは出来るかもしれないが、次のような原文の意図をくみ取った翻訳や理解は無理でしょう。
直訳の例
「確かにマラソンは挑戦的であり、人体をその限界まで押し上げるが、それでも粘り強い者には比類のないフィットネスと精神的な強さを報いる。」
意訳の例
「マラソンは確かに過酷で、体を限界まで追い込む。しかし、諦めない者には計り知れない体力と強靭な精神力というご褒美が待っている。」
この意訳ではChallengingを挑戦ではく過酷としていますが、挑戦よりも厳しい物に挑むということで「過酷」という言葉の方が適切と考えたからでしょう。個人的には挑戦的の方が良いような気がしますが。このあたりは前後の文章や翻訳者のセンスなどにもよります。
このように原文のニュアンスをしっかり捉えて、日本語でもそれに近い内容で理解する、どの言葉がより適切かを考えるには、元の文章をしっかりと解釈できる必要があります。
当然ここで本当に重要なのは、しっかりした直訳が出来るくらいに英文の構造を理解出来ることです。
きれいな意訳も出来るようにするとか、毎回必ず直訳をする必要はありません。
日本語への翻訳はまた別の段階での話になります。まずは英文の構造がわかるようになりましょう。
英文読解に必要な事
英文読解では、どれが主語で述語動詞なのかなどを判断するなど、英文を細かく分析していきます。
これをやるためには、各単語の意味にくわえて、どの単語が何の品詞なのか、どれが何の働きをする語や句なのかなどを理解する必要があります。
このためには、基本的な英文法はもちろん、その英文法の知識を使って、構文、英文解釈自体をしっかりと学んでいく必要があります。
通常の英文法の学習では文法自体を学習しますが、英文読解や解釈は一般的にその基礎的な文法知識を使った応用として学習していることが多いです。
実際に、英文解釈や読解はそれだけで各レベルに応じた参考書が多数あります。
英文解釈では前述したように、主語、述語など基本的な文法知識から、倒置、分詞構文などの文法用語が多数出てきます。基礎的な参考書では、それぞれの用語の基本的な解説もありますが、各文法自体は文法学習段階で学ぶのが基本です。
その知識を使って、その文章で使われている文法、構文などを判断して、文構造を理解し解釈します。
いわゆる精読というのをやるわけですが、まず必要なのが使われている単語の意味がわかること、使われている文法がわかることで、その上で文章の主語、述語などを判断できて、文構造を把握するなどしていきます。
そのため、使用する文章のほとんどの単語がわかる、その単語の品詞がわかる、そこで使われている文法がわかる必要があります。
つまり、基本的な単語や英文法を理解しておかないと、読解や解釈にはすすめないです。
どこまで学習が必要かは解釈したい英文法のレベルによります。
前述の英文のような高度な物なら、単語も文法もかなり学習しなければならず、かなり上級の参考書などでの学習が必要です。
通常、それよりも基礎的な文章から学習は可能です。
例えば「I run.」はSVの第一文型です。「I run in the park.」はSVの第一文型に副詞がついています。
これがわかるなら、基本はある程度出来ている事になります。これがわからない段階なら、英文法の基礎をしっかり学習しましょう。
このような文法、英文構造は英文解釈として学ばなくても、基本的な文法学習の段階で英文の構造を英語の文型として学習します。
これは英文解釈の基本となる物で、本当に基礎的な英文解釈参考書ではこのような所から復習として入っていき、より高度な内容を学習していきます。
基礎的な英文法が必用な段階なら、しっかり文法を学習しましょう。
英文法はどこまで学習すべきか
英文解釈では事前に英文法を学習する必要がありますが、どこまで学習した段階で英文解釈の学習に入っていけば良いかは難しいところです。
英文法の知識は中学レベルの基礎レベル、高校の内容も一部入った標準レベル、大学受験レベル、大学受験の上級レベルなどに分けられます。
会話などなら、基礎レベルで何とかなりますが、文章の理解となると高校の内容が入った標準レベルから、大学受験レベル程度が必要になります。
自分が理解したい文章に合わせればいいですが、まずは中学レベルの文法を理解した段階で、基礎的な英文読解入門書を一通り学習してみることをおすすめします。
この段階で、英文読解の入門書に書いてある事がよくわからない場合は、中学レベルの範囲を超えているか、超えていない場合は理解が出来てない状態になるので、英文法に戻って学習し直します。
こうすることで、今まで何となく理解していた文法がよく理解しやすくなる、今まで気づかなかったことに気づけるようになるなど、文法の理解が深まります。
その上で、高校の内容が入った基礎レベルの英文法を学び、英文読解を学び、また英文法に戻って文法の知識を深めるなどと繰り返していけば、徐々に理解出来る英語のレベルが上がっていきます。
中学レベルの文法が理解出来たら、基礎的な英文解釈を学習する。
基礎的な英文解釈で、文法面での課題が見つかったら、中学レベルの文法の学習に戻り、高校初級レベルの文法学習に入る。
基礎的な英文解釈がある程度理解出来るようになったら、高校基礎レベルの文法を学習する、ある程度理解出来たら、基礎よりもレベルを上げた英文解釈書を学習する。
このような流れで、自分で納得できるレベルの解釈が出来るようにしていきます。
解釈できるようになった後
英文の構造がわかり、正しく文章の意味がわかるようになったら、そのレベルの文章の多読に入ります。
多読でまず重要な事は、文章の内容を正しく理解出来ることで、その理解出来る内容をわざわざ日本語に翻訳せず、文章の初めから直接英語として理解出来るようにすることです。
直接英語を読んで、直接英語として理解する、直読直解の英語多読をします。
一般的に多読は重要とされていますが、意味を何となく理解する、構造もよくわからない状態で多読しても効果はほとんどありません。直読直解できる構造が理解でき、意味が正しく理解出来る文章を多読することで、頭の中で理解出来る英語が増えていきます。
そのために、文法、英文読解・解釈が重要になります。
英文解釈・読解でおすすめの参考書例
基礎レベル
八澤のたった7時間で英文解釈
高校英文読解をひとつひとつわかりやすく。
とってもやさしい英文読解
動画でわかる英文法 読解入門編
大学入試はじめの英文読解ドリル
英文読解入門 基本はここだ
英文読解入門 10題ドリル
英語ベーシック教本
大学入試肘井学の読解のための英文法
基礎英文のテオリア
英文読解入門 基本はここだ
大学入試 基礎からの英文解釈クラシック
入門英文問題精講
大学入試肘井学の読解のための英文法 難関大編
基本文法から学ぶ英語リーディング教本
英文解釈 Code 70
英文解釈のテオリア
大学入試英文解釈クラシック
英語リーディング教本
英文読解の透視図
英文解釈教室
ポレポレ英文読解プロセス50
大学受験のための英文熟考
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英文解釈の技術シリーズ