英語学習では音読が重要とされています。音読と似たような多読という学習方法もあります。
どちらも正しく行えば効果がある学習方法ですが、間違った音読や多読では何の意味もありません。
自分のレベルにあった文章を音読しよう
一番短い音読は、単語帳の例文の音読、文法書の例文の音読です。
一般的に単語帳の例文は単語の意味はわかった状態で、構文もそこまで難しくないため、しっかりその文章の構造、文章の意味を理解して音読できます。
文法書の例文の音読も、その文法を使った意味も構造もわかった文章を音読します。
このように、その文章を理解した状態で、読む音読は意味があります。
しかし、単語を並べただけで推定した意味しかわかっていない文章、どれが主語で述語なのかわからず、文章を正しく理解していない文章を読んでも音読の意味はありません。
おそらくそのまま続けていても、文章の意味がわかるようにはならないでしょう。
また、自分にとって簡単すぎる文章を読むのも音読の効果はかなり低いです。
文章を読む練習、文章を始めから理解していく練習にはなりますが、単語や文法の定着という意味での音読の効果はほとんどありません。
自分にとってちょうど良いレベルの英文を音読し、まだ定着していない単語、文法や語法をしっかり身につけるために音読しましょう。
音読の前にやっておきたい基礎
音読は一般的に、何らかの文章を声に出して読んでいきます。
特に音読の初期は、音声がついている教材を使って正しい発音、イントネーションなどでの音読が重要です。
そのためには発音の練習が必要です。
また、単語と熟語の学習も必須です。
どのようなレベルの文章を読むかにもよりますが、中学レベルの単語や熟語は一瞬で日本語で言えるようにしましょう。
英語圏の子ども向けの本を読む場合、基本は日本の中学レベルの単語や熟語が使われていますが、何かの名前などの名詞などを中心に、英検準1級や、1級クラスの単語が使われたりします。
例えば虫や動物の名前などが代表的なところです。
このあたりはどこまで学習するかは難しいですが、子ども向けの本を読む場合は、そのような単語が出てくる事を想定して、事前に調べておいた方が理解が早いと思います。
大学受験レベルの5000語くらいまでを覚えれば、一般的な文章ならあまり単語で困る事はないです。このレベルで一般的に使われている単語の95%程度を覚えた段階です。
これを98%程度にするには英検準1級レベルの9000語程度にする必要があります。
5000語から9000語までにする労力は、5000語までにするのと同等の時間がかかりますが、カバーできる単語の割合はそこまで大きくはありません。
大学受験レベルの5000語程度の単語を完璧にして、自分が読むカテゴリーの物で頻出する未知の単語を覚えていく方が効率的でしょう。
文法や語法、読解はしっかりやろう
音読、多読では文章の意味をしっかり理解出来ている必要があります。
そのためには単語や熟語はもちろん、文法の知識、その文法を使った文章の読解力が必要になります。
単語はネイティブと同じくらいになるには2万語から3万語は必要ですが、5000語程度でとりあえず問題ありません。文法もやろうと思えば切りがないですが、とりあえずは大学受験基礎レベルの知識をつけて、読解の学習へ進みましょう。
この段階でも単語を並べるだけで簡単な文章なら文法の理解が低くても、文章の意味がわかるようになるでしょう。
この段階で意味が理解出来る文章の音読や多読は行いましょう。その上で、文法などの学習に進んでいきます。
文法の学習がある程度進んだ後の読解ももちろん基礎レベルから始めます。この段階で、主語、述語動詞を見つけるのに苦労する、読解で説明されている文法の説明がわからない場合、文法に戻って学習し直します。
一通り文法学習が進んだら、読解に進み、それでもまだなら、文法に戻るを繰り返します。
基礎レベルの読解が一通り出来れば、単語を並べただけでは意味がわかりにくい文章もある程度読めるようになります。
読解の基礎レベルが出来れば、音読や多読できる文章のレベルをあげられます。そうなったら音読や多読を続けながら、よりレベルの高い読解の学習へと進み、多読や音読のレベルを上げていきます。
当然この段階で、文法などに不安があればすぐに文法に戻って学習し直し、文法、読解のレベルを徐々に上げていきましょう。
そもそも文法や読解が出来るとは
文法が出来る定義は難しいですが、文法の問題等で、正しい選択肢がなぜ正しいのか、違う選択肢はなぜ違うかを、問題の解説の用に自分で説明できるレベルになった段階で、その文法を理解したと定義しましょう。
読解は、その文章の主語や述語動詞を見つけられ、その他、形容詞や副詞等を判断した上で、しっかり意味が理解出来る状態になっている状態を、その文型などの読解を理解したと言えるでしょう。
それぞれ、始めは基礎的な内容なら理解出来る状態になります。より難しい物の理解は学習を進めていく段階で理解出来るようになります。
どこまでの学習が必要かは、本人の目標によってことなります。
それぞれの段階で音読や多読を進めていくわけですが、自分が読みたいカテゴリの文章の意味がわかるようになっていれば、その段階で文法や読解の学習は終わらせても良いかもしれません。
すでに、文法や読解などで学習するよりも、音読や多読で、英文を自然に理解出来るようにしていく段階に入ったという事になります。
おそらく、その状態になったと思っていても、文法や読解などの知識は実際にはそこまで高くはないでしょう。それでも音読や多読をそのまま進めていけば、理解度はかなり上がるはずです。
数年後などに振り返ってその当時の文章を読み替えると、当時の理解度は低かったことを実感出来るくらい多読や音読を続けていきましょう。
音読や多読の素材は何が良いか
音読や多読の素材は、しっかりした正しい英文の素材が好ましいです。
特に学習初期段階で音読する場合は、音声がついているような長文読解用の問題集などが適しています。
ネイティブの音声に合わせて、イントネーション等を意識して正しい発音で音読をします。