Kindle 3の出荷が2010年8月下旬に始まり、世界中で発売開始直後に予約した方の元に届いている。筆者も早速実機を入手して、新機能の日本語対応に関する部分をチェックした。
従来のKindleもフォントを入れるハックで日本語など欧米系言語以外も表示は可能だったが、あくまでもハックという状態だった。また、PDFにフォントを埋め込めば様々な言語の表示も可能だったが、これもPDFに限られた。
今回発表になったKindle 3は、初めから日本語を始め様々な言語を標準でサポートしたことで、期待も高まっているようだ。
多言語対応に関しては、Amazonから事前情報が無かったが、実機を手に入れたので、ある程度のことがわかってきた。
今回試したのは出荷直後のKindle 3にプリインストールされている、Kindle 3.0というバージョンのソフトでの結果だ。
Webブラウザでの日本語表示
Webブラウザは今回からWebKitベースになり、ほとんどのサイトがPCなどで見る場合と同等の品質で表示できるようになった。日本が使われている日本語のサイトも問題なく表示可能だ。
電子インクによる表示なので、スクロールなどがぎこちないが表示自体は問題ない。
プレーンテキストのエンコーディング
次に、テキストファイルをKindle 3に転送してみた。
どのエンコードに対応しているのかわからなかったため、Shift-JIS、UTF-8、ECUのプレーンテキストを転送したところ、どれも問題なく表示された。今回はShift-JISだけ細かなバグを見つけたが、基本的にどのエンコードでも問題なく表示できるようだ。
ファイル名
従来のKindleでは半角のアルファベットしか表示されなかったため、日本語小説などのファイル名に困ったが、漢字のファイル名も全く問題なく表示される。
これで、無理矢理ローマ字にしたわかりにくいファイル名を使う必要が無くなる。
フォント
画像を見るとわかるように、丸ゴシック系のフォントが搭載されている。欧文系フォントは3種類から選べるようになったが、日本語フォントは1つしかないためアルファベット系フォントは変わっても、日本語フォントは変化しない。
禁則処理、縦書き、各種タイポグラフィ
禁則処理は全く考慮されていない。縦書きももちろん、半角英数字と全角が1行の中に混在しているような文書の改行も、日本語を全く考慮していない状態になる。
Kindle 3の日本語対応まとめ
今回は、 mobipocket での日本語対応状況は試していないが、現時点(3.0)で細かいバグはある物の、日本語はフォントを入れて各種エンコードに対応したというだけで、文章の可読性に関する配慮は一切されていないことがわかった。
今後のバージョンアップで禁則処理なども対応するのだろうが、その間に日本語書籍データの販売準備なども整えていくのだろうか。
現時点でKindle 3の日本語対応は不十分ながら、この進化は非常に大きな一歩となるだろう。