英語が出来ない原因と対策

英語を勉強しているのに、英語が出来ないと自覚している方は多いです。
よくあるのが、簡単な文章は読めるし、Helloなどの挨拶くらいは出来るが、それ以上が出来ないので、英語が出来ないような状況です。

実際に英語の能力は高くは無くても、それがどのくらいのレベルなのかの自己分析は必要です。何が出来ないのかがわかれば、何をやれば良いかがわかります。学習していてもその成果が出ない場合は、自己分析を間違っているか、学習方法が間違っています。
正しく自己分析した上で、正しい学習で、英語力を向上させましょう。

小説、ニュース記事などの文章中にわからない単語が多い

一般的な大人向けの小説の場合、1ページ300ワード程度が使われています。その文章の中で使われている単語がすべて異なっている小説だとして、人の名前などの固有名詞を除いて、そのうち280くらいは高校レベルで理解出来る単語が使われていると思います。
実際には、the、to、forなどよく使われる単語は1ページの中で複数回使われているので、1ページ300ワードの小説だとしても、わからない単語はそこまで多くはないはずです。

日本語の小説でも、難しい漢字が使われていたり、よくわからない表現が使われている事があると思いますが、1ページに数カ所わからない表現、読めない漢字があっても、小説全体の理解にはそこまで影響しないと思います。
英語でも同じで、1ページに数単語わからなくても、前後の文章から推測して、全体の理解にはそこまで影響がないことが多いです。文章の理解に影響があるくらい、1ページに数カ所以上よくわからない単語がある状態だと、読む小説のレベルは下げた方が良いでしょう。

一般的な文章の小説の場合に、わからない単語が1ページに数単語くらいになるのが、英検準1級程度くらいの単語力の9,000語近く覚えた段階になります。

語彙数が大学受験レベル(英検2級)の5,000語程度の場合、英語圏の中学生くらいまでの小説なら、単語自体は困らず読み進めていけるでしょう。
あまり難しい単語を使わないニュース記事などもあり、分野によっては、語彙レベルが5000語程度でも一般の文章は読めるかも知れません。一般の文章をある程度読めるようになるのは英検準1級くらいの語彙数の9,000語くらいから、語彙レベルを絞った物などなら語彙レベル5,000語程度でも読めると理解しておきましょう。
さらに、本当に単語に困る事が無くなると言えるようになるのが英検1級レベルの10,000から15,000語程度の語彙数と言われています。

つまり、一般的な、比較的簡単な文章を読むのに必要な語彙レベルは大学受験や英検2級程度の5000語程度、ある程度推測しながら読めるようになるのが英検準1級の9000語程度。小説などを楽しむなら、出来ればそれ以上の語彙はほしい状況です。

ネイティブは3万とか5万語の語彙があるとされているので、英検1級ではネイティブレベルには遠いですが、一般的には15,000語程度あれば十分とされています。

語彙が5,000語に満たない場合は、単語集で集中的に増やしつつ、学習者向けに語彙レベルを絞った本や、ネイティブの中学生くらいまでの本などで多読し、使える語彙を増やしていくのが得策です。

学習者は、英文の読書量が圧倒的に足りていないため、自分が読めるレベルの本をしっかり読み、語彙を増やしながら、しっかりと英文自体になれていくことが重要です。
これは日々地道にやるしかありません。

聞き取れて単語の意味はわかるが、文章にすると意味がよくわからない

例えば、知り合いの英語のネイティブに道であったときに「What’s going on?」と言われたとします。
直訳すると「あなたは今何をしていますか」のような感じの表現で、何かを聞いているようなので、現状を説明する解答が必要ですが、とっさに言われると、どう返して良いか混乱してしまう場合もあるでしょう。
この「What’s going on?」は一般的には単なる「やあ」とか「こんにちは」のような、取り立てて何を聞いているわけでもない、単なる挨拶のような慣用表現です。一番わかりやすい別の表現は「How are you?」です。

これに答える一番簡単な返事は「Hi」、「Hello」とか「good」とかです。
同じような表現で「How are you?」の別バージョン「What’s up?」などもありますが、すべて「やあ」とか「こんにちは」の別バージョンであって、取り立ててたいした意味が無い、単なる挨拶表現です。
このような英語学習者が習う挨拶の「How are you?」のような表現には様々なパターンがあります。

それらを学習して知っていれば良いですが「How are you?」しか知らないと、英語学習者にとって、初めて聞く表現だらけなので戸惑ってしまうでしょう。

このような慣用表現のバリエーションは沢山あり、日常的によく使われています。
さらに熟語、句動詞などもしっかり理解していないと、聞き取れるし、簡単な単語しか使ってない文書なのに、何を言っているのかよくわからない、どうやって返事をしたら良いかわからないことがよく発生します。

簡単な単語の文章を言われて、よくわからない場合は、慣用表現、熟語などの知識が不足しています。

簡単な単語を使った難しく無さそうな文章を言っているようだが、謎の単語だらけで聞き取れない

相手の会話が聞き取れない理由は、知らない単語が使われている場合、間違ったカタカナ英語で覚えている正しい単語で言われた場合、リンキング、リダクション、アシミレーションなどで単語が省略や同化してしまい、別の発音になっている事が聞き取れない場合、前述した初めて聞く慣用表現などです。

英語は他の言語と同様に、統一した正しい発音があるわけでも無く、イギリス英語、アメリカ英語もそれぞれ一つしかあるわけでもなく、地域や人種、文化的背景など、人によってしゃべり方も人それぞれ異なります。様々な訛り、それぞれ違うしゃべり方のクセなどもありますが、そのような人それぞれの話し方の違いを乗り越えたとしても、聞き取れないほとんどの原因は、本人のヒヤリング能力不足です。

語彙数が中学生レベルの3,000語程度あれば、単語自体がわからない事が原因になる事は少ないです。
もしも知らない単語を使われた場合は、それはどういう意味か教えてもらえばいいだけです。

難しい単語は使って無さそうなのに聞き取れない一番の原因は、リンキング、リダクション、アシミレーションなどを理解していないことから、文章としての発音を正しく聞き取れないことです。それ以外にも、固有名詞などを日本で一般的な間違ったカタカナ英語で覚えてしまっているような事が原因のこともあります。

例えば、日本語だとツタンカーメンは英語でTutankhamunと表記しますが、英語だとトゥータンカームンみたいな発音になります。さらに略してTutan(トゥータン)になったりもします。
ある程度話せるようになって、トゥータンカームンとは何かを聴けるようになったとして、エジプトのピラミッドの金で出来たマスクの何たらかんたらと聞いて、ツタンカーメンとトゥータンカームンが、うまい具合に紐付く可能性は高くはないです。ツタンカーメンがトゥータンカームンって発音するんだと理解するまでかなり時間がかかってしまう場合があります。
Tutankhamunをツタンカーメンだと思い込んでいることからくる弊害で、何らかのきっかけがないと気づけないでしょう。

このような英語圏では全く違う読み方の固有名詞、リンキング、リダクション、アシミレーションなどは事前に学習が可能で、事前にそのような学習をしておくと、話がかみ合わなくなることが減ります。

様々な分野の英語の正しい発音は、しっかり学習しておきましょう。特に専門分野がある方は、その分野の正しい英語の発音を理解しておきましょう。

長文を読んでいると単語はわかるが文章の意味がよくわからない

単語や熟語、句動詞などの意味がわかっていたとしても、文章にするとよくわからなくなってしまうことがよくあります。
簡単な構造の文章ならわかっても、複雑な文章だとわからなくなってしまう場合も多いですが、この原因は文章の構造が理解出来ていないこと、文法などの基礎知識が不足していることが原因です。

文法自体の理解度が足りていないので、基礎から学び直した方が良いでしょう。
また、文法関連の中でも読解、どこが主語で述語なのか、文型は何かを意識せずに読めるようになるまでの練習や、読書量も足りていません。

なんとなく読めるが読解が出来ているのかわからない

文章自体は読めるが、その文章で伝えたいことがよくわからない。正しく読解できているかわからない場合、文章の理解が出来ていない可能性があります。

そもそも文章の読解力がどのくらいあるのか、母国語で確認してみましょう。
母国語の理解度を外国語で超えることはありません。難解な内容、専門分野外の内容は母国語であっても理解するのが大変な場合がありますが、このように、仮にその内容が母国語で書いてあったとしても満足して理解出来る保証はありません。

外国語の場合は、母国語よりも理解度は確実に落ちます。母国語での文章の理解度を上げなければ、外国語の理解も出来ない場合があります。

聞き取れるが、連続して話されると意味の理解が追いつかない

外国語の初心者は、会話であっても、ひとかたまりの文章を丸ごと翻訳しようとします。
この場合、話された内容をヒヤリングし、翻訳するという動作になります。会話の場合なら、こちらの発言を待ってくれますが、一方的な発言の場合は待ってくれないので、頭の中での翻訳が間に合いません。
文章毎に翻訳するのでは無く、相手の話している内容を、数単語毎のチャンク毎に理解していく必要があります。
文章よりも小さな単位で、順次理解していき、最終的に日本語として正しい文章にする必要も無く、そのまま、文章として理解していけるようにします。

例えば、
I went to a ramen restaurant with my colleagues for lunch.
の場合なら「私は昼食に同僚とラーメン屋に行った」と日本語として正確に訳すのではなく「私は行った、ラーメン屋に、私の同僚と、ランチに」と話された順に理解していき、そのまま意味がわかるようになる練習をします。

リスニングはもちろん、文章を読む場合も同じように意味の固まりのチャンク毎に理解する練習をします。
ここで重要なのは、日本語として正確に訳すのではなく、内容を理解するという事です。
正しい日本語に訳すのは、翻訳の場合のみで、実際に英語を使う場合、翻訳の工程はやらずに、意味を理解を最優先とします。

言いたいことがあるがなかなかうまい表現が見つからない

言いたい事があるけど、それを英語でどうやって表現したら良いかわからないことがよくあります。
日本語では言いたいことは思いつくが、それをどうやって英語にしたらいいのか、なんとなく英語で言えそうだが、この英文はおかしくないだろうかなど考えていると、言いたいことが言えない事が良くあると思います。
スキルが無いのに、難しい事をそのまま日本語と同じような表現で言おうとした場合、考えすぎてしまうとそのようなことになりがちです。

ややこしい表現をしようとせずに、言いたいことを簡単な文章にして、その簡単な文章を、自分が知っている表現で組み込んで言えるようにしましょう。その表現を増やして行けば、言いたいことは増えていきます。
一般的に、会話のパターンはほとんど決まっています。自分が言いたいことの表現パターンを増やして行くことで、話したいことも増えていきます。
これは会話用のパターンだけでなく、文章でも言えることで、パターンが増えれば増えるほど表現の幅が広がります。

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