PCなどの技術が進歩したおかけでオーディオやビデオなど、様々なコンテンツを手軽に作成できるようになりましたが、圧倒的にプロと素人との差が付いているのが、マイクなどオーディオ関連技術。
特に、マイクに関しては、パソコン本体やビデオカメラなどに付いている物をそのまま使用したとしてもクオリティはかなり低い。
映画収録や音楽収録は当然として、ちょっとした街頭インタビューのTV番組収録でも専門のマイク、音量設定などに複数人が関わることも多く、それを手軽にできるマイク内蔵ビデオカメラで、カメラマンが設定もせず、プロのクオリティに追いつけるわけがない。
また、それに少しでも近づくためにはどうしたらいいかというのも、ネット上には探せばいくつかある物の、手軽な書籍などがないのが現状だ。
今回は、マイクの基本を紹介しよう。
マイクの基本
マイクは大きく分けて2種類あり、コンデンサーマイクとダイナミックマイクの2つに分けられる。
パソコンや一般のビデオカメラに内蔵されているマイクはコンデンサーマイクと言われる物だ。一方、記者会見や歌手が使っているようなマイクはダイナミックマイクという物が主流だ。
一般的に、ダイナミックマイクはキャノン端子(XLR等とも言われる)というiPodなどのヘッドフォン用に使うようなプラグとは全く違うプラグを使用する。プラグ形状はもちろん、それぞれの特性が異なるので、そのマイク端子に合わせたマイクを使用する必要がある。
例えば、パソコン用のマイク端子はコンデンサーマイク用に設計されているので、ダイナミックマイクはそのままでは使用できない。一般のビデオカメラにマイク端子がある物は数えるほどしか無いが、ここにあるマイク端子もコンデンサーマイク用に設計されている。
一方、プロ向けの機材では一般的にキャノン端子だけが用意された製品がほとんどだ。
マイクの特性
それぞれのマイクは、形なども異なるが、特性が全く異なる。
例えば、ICレコーダーなどに搭載されているマイクは、無指向性のマイクが搭載されていることが多い。この無指向性マイクはどの方向から入った音も全て録音できる。
たとえて言えば、特に耳を澄ましていない時の人間の耳のような物だ。
このマイクなら、どの方向から音が来るかわからないような収録の時に役に立つ。インタビューなどの際は、マイクの方向を向けるのが難しいためよく無指向性マイクが使われる。街の雑音も入ってしまいがちなのが難点だ。
一方、声だけ確実に収録したく、周りの音声をなるべく収録したくないような場合は、単一指向性マイクを使用する。ライブなどで歌手が使うようなマイクはほとんどがこの単一指向性マイクだ。
このマイクなら、ライブなど大音量がなっているところでも、マイク近くの音のみを集中して収録できるので、近くのスピーカーから出ている大きな演奏はマイクに入ることがない。
この単一指向性マイクをさらに強化した超単一指向性マイクなどもある。
このように、マイクの特性、方式などを機器や収録目的に合わせて変更する必要があり、それぞれのマイクがどのような性能なのかも見極めた上での設定が必要となる。
この辺りの知識と経験が優れているのが、各映像の収録現場に欠かせない音声収録のプロだ。
画像はだれでも比較的簡単に収録できるが、音声が難しいのはこの知識と経験を自動化する事はなかなか出来ない。