なぜ計画停電を実施するのか

2011年3月に発生した東関東の地震と津波の被害に影響し、原子力発電所が停止し、火力発電所も被害が発生しました。その結果、発電力が大幅に低下しています。
東京電力と東北電力は、管内の供給電力を需要が上回ると予想される場合、計画的に一部地域で停電を実施します。

もしも、供給力を上回る需要になってしまうと、管内全域が一斉に停電し一般家庭はもとより様々な問題が発生することが予想されます。
それを避けるために、需要が多いと予想される時間に、事前に予告した地域を強制的に停電させることで、供給力を上回る需要を避けています。

2011年3月18日現在、東京電力では5つのグループに分けて、1日3時間をめどに地域ごとに交代で停電を実施しています。電力の需要動向によっては、停電が回避されることもありますし、地域によっては予告時間になっても停電にならない場合もあります。これは東京電力側が供給力の関係で調整した結果です。

少なくとも、この計画停電は火力発電所が復帰するまでは続きますし、夏の需要期には現在の供給力の2倍の供給力が必要になるので、それまでにガスタービン発電機などである程度発電力が強化されなければ、さらに大規模に停電が続くことが考えられます。
また、原子力発電所も当面運転できないでしょうから、この状況はかなり長期化することも予想されます。

日本では各電力会社同士で電力を融通し合う仕組みがあります。発電所のメンテナンスなどで供給力が落ちるときには、隣の電力会社から供給を受けるなどして、需要に応えることができますが、今回の災害では、東北電力と東京電力の複数の発電所が一度に被害にあったため、その融通も難しくなりました。
もちろん、中部電力、北陸電力など、西日本の電力会社から融通すればいいのですが、電圧は100Vで同じですが、周波数が東日本では50Hz、西日本では60Hzと異なっています。

それぞれの周波数は直接融通できないので、変換する必要がありますが、現在の周波数変換所は需要の10%にも満たない量(100万キロワット)しか変換できません。

少なくとも現時点では計画停電を回避するには、東京電力と東北電力、北海道電力管内の方々が少しずつ節電するしかありません。

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