カジュアルゲームマシンとして使われるiPod touch

日本ではそれほどでもないが、少なくともアメリカ市場ではiPod touchはカジュアルゲームマシンとしてかなり浸透しつつある。子供などにも、かなりお気に入りマシンという認識になっている。
Appleは時折ゲーム機として普及しているという情報を公開しているが、実際にアメリカ市場での使われ方を調査すると、子供向けのゲーム機としても2割から3割程度のシェアを持っていると言ってもいいほどの割合となっているようだ。

数年前までのアメリカ市場において、子供向け携帯型ゲームマシンのシェアはニンテンドーDSが9割を超えていたが、現在このシェアは徐々に低下し、iPod touchに切り替わりつつある。
PSPのシェアは日本のモンスターハンターブームなどもなく、ほとんど無いと言ってもいいくらいの状況。

iPod touchなどに特化した、画面をタッチする簡単なゲームは2009年頃から徐々に出てきていたが、2010年には選ぶのに困るほどのゲームが多数リリースされている。
価格も無料や100円程度で購入できる物も多いため、子供向けに多数購入しても経済的に気にならないレベルだ。
さらに、ゲームの内容も誰にでも短時間で簡単にできる物が多い。じっくり数十時間かけて楽しむようなゲームとは対照的なこのようなゲームをカジュアルゲームと呼んでいる。

ニンテンドーDSでもDSiなどに向けた簡単に購入し、短時間で楽しめる仕組みを用意しているが、古いDS Lightには対応していないことや、ゲームの数の問題もあり、DSのゲームとしては、カートリッジで販売されているゲームが主流だ。

iPod touchやiPhoneのゲームはどちらかといえば、アングリーバードのような短期間ですぐに遊べるようなゲームが多い。このカジュアルゲームは、子供はもちろん、ゲームを遊ぶ時間がないような大人にもわかりやすく、誰にでも簡単に楽しめる。

音楽専用のiPodの売上げは低下傾向にあるようだが、携帯電話として使えるiPhoneや、ゲーム機としても使えるiPod touchは他の機器のシェアを奪いつつある。

ダウンロードするカジュアルゲームや、タッチパネルなど新しい操作方法によってゲームの遊び方は変わりつつある。これは、ニンテンドーDSの2画面対応以上の構造変化かもしれない。
もちろんこれらの状況は、国や地域による違いはある物の、世界的に大きな流れは全世界に影響を与える。

ゲーム業界関係者はある程度この流れを読んでいるだろうが、関係する業界もこのようなわかりやすい構造変化を注視し、自分の業界では何が当てはまるか調べる必要がある。

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