10月 272010
 

従来、本を出版する場合は、出版社が著者に○○に関するテーマの本を執筆してもらうように頼んだり、著者が出版社に○○に関するテーマの本を書きたいと売り込み、それが通ると出版されるというパターンだった。

ここで印税率、出版部数、廃刊その他などの契約が行われるが、出版社側に都合の良い契約になることが多かった。それも物理的な本を売るために、出版社が編集、印刷、配本、宣伝など様々なコストをかけていたので、ある程度仕方のないことだったかもしれないが、電子化された場合、その内容も変わっていくべきだろう。

1. 紙に印刷、製本という高リスクなことから始める必要が無くなる

紙の本は、紙に印刷し、製本、各書店に配送などし、在庫管理、宣伝など様々な努力が必要になるが、それに関連するコストはかなりの物だ。
しかし、電子的に流通するコンテンツの場合、印刷、在庫管理にかかる費用は基本的にかからない。
従来の出版社が担っていた機能は、宣伝などを除きほぼ不要になる。著者にとって必要かもしれないのが、編集機能だが、これも著者自身がやれば不要になるし、編集を専門にした会社というのもいくつも存在しているので、必要な部分はそのような会社に依頼すればいい。

各社が用意している電子配信のプラットフォームは、電子的に情報を受け付け簡単に設定するだけで、配信が可能になる。

つまり、著者が用意した文字データやイラスト類を、電子的に配信プラットフォームへアップロードし、タイトルや概要などを入力するブログに書くような作業をするだけで、全世界に書籍が販売できるようになる。

世の中に伝えたい情報がある場合、誰でも簡単に本のような形にして配信できるようになる。もちろん、そこから利益を出すことも可能だ。
ここで、売れる物だけを紙に印刷し、物理的な本の形にして販売するという選択肢もあるだろう。これなら、確実にある程度売れることがわかるので、売れるかどうかわからない本を、コストをかけて販売してみると言うことが不要になる。

2. 出版社が不要になる

自分が文字にして世の中に伝えたいことがあっても、普段出版社の人間と付き合いがなかったら、どうやったら本を出版してもらえるのかわからない方が多いだろう。
ある程度、名の通った方なら、出版社側からアプローチしてくることもあるが、無名の方でも何かに卓越した知識があるような方の情報を世に広めるのは難しかった。
誰でも情報発信できるようになったのがインターネットだが、ある程度まとまった文章をコンピューターの画面上で読むのは簡単ではなかったし、有料で販売するのも難しかった。
それを解決するのが、電子書籍だ。

各社がシェア争いをする電子書籍のプラットフォームを利用すれば、まとまった文章も読みやすくなるし、有料で販売することも可能になる。

印刷などの工程が不要になるので、出版社や印刷会社などを通すことなく誰でも簡単に情報を配信できるようになる。もちろん、各社のプラットフォームで認められないと配信は出来ないが、AmazonのKindleなど一般の方でも配信できるプラットフォームが用意されているので、その点は問題にならない。

3. 契約は著作者が条件で決める

電子的に誰でも簡単に配信ができるようになるが、配信プラットフォームはどこを使うかを検討しなければならない。そのプラットフォームの利用者、印税率など様々な条件から良いところを自分で選ぶことになる。

そこで売れる物なら、電子を使わない方に向けて物理的な本の形にしても売れるのは間違いないだろう。その場合、自費出版という方法もあるが、タダ印刷し製本しただけで売れるほど簡単ではないだろう。諸々の手間を考えるとその専門業者に依頼した方が良いだろう。
そもそも、そこそこ売れている物なら、専門業者に依頼することなく、業者側から紙の本として販売したいと申し出が来るかもしれない。
その業者というのは今までの出版社の事だが、その契約条件は印税率、発行部数、宣伝などから各社の内容を検討し著者が選べるようになる。

今までは、出版社側がリスクを持っていた部分も多く、やっと採用してくれた出版社の契約をそのまま受け入れると言うことも多かったようだが、これからはそのような受け身の姿勢は不要になる。

まとめ

電子出版だけではなく、音楽、映像など様々な電子化可能なコンテンツの著作者は、各種電子流通プラットフォームが普及すれば、自分の著作物を自分でコントロールして販売できるようになる。
電子的に販売して売れるコンテンツを、電子版以外で売りたければ、専門業者に依頼するのが確実だが、その時の契約は自分が良い条件だと判断するところとすることになる。

従来は出版社や音楽会社などの大企業がコンテンツの流通などを仕切っていたが、電子化されるとコンテンツの著作者自身が独自に出来るようになる。
今のところ、配信プラットフォームもどうなるかわからないが、今後の流れを考えた上で、出版などの契約をしたほうがいいだろう。

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