10月 012010
 

2010年現在のデジタル系テレビ放送は、2DのHD解像度をそこそこの画質で表示出来るように規定されている。

地上デジなら、MPEG-2 TSで1440×1080iの17Mbps、BSデジタルなら解像度は1920×1080iも可能で、24Mbpsとなる。

これなら2DのHDをとりあえず問題なく再生できる。
もちろん、地デジ放送で海やプールの場面によく見られる波の動き、派手なバラエティ番組のセットなどで、ビットレートが不足しているため、ブロックノイズなどが発生することもあるが、最近のテレビはそれをなるべく目立たなくする処理もしており、あまり画質が悪いと感じることも少ない。

しかし、3Dになるとどうだろうか。
3Dでは右目用と左目用の2つの画像が必要になる。つまり、同じ画質で放送する場合、単純に考えれば、従来の2倍の画像が必要になる。

Blu-ray 3Dの場合、この2つの画像がディスク内に収録されている。どちらも似たような画像なので、効率的に圧縮することで2Dに比べて1.5倍程度の容量で収録できるようになっている。
3Dの再生には当然ながら、Blu-ray 3Dに対応したプレーヤーが必要になるし、3Dに対応するテレビも必要だ。

一方、テレビ放送の場合、3D放送を想定していなかったため、対応プレーヤーを新しく買えばいいBlu-ray 3Dのように、3Dに適した新しい放送方式を新しく策定することが難しい。
3D用に放送の仕組みを変更しなければならないとなると、テレビの買い換えはもちろん、放送に関わる部分全ての見直しが必要になってきて現実的ではない。
そのため、現行の2D放送の中で3Dを実現する必要がある。

現在のテレビ放送は解像度やビットレートなどが決まっているため、そこに3Dデータを入れる必要がある。
3DにはBlu-ray 3Dの用に右目用と左目用の2つの映像を入れる方法の他に、サイドバイサイドという方式がある。これは、1つの画面に右目用の左目用の画像を2つ並べて入れる方式となりイメージとしては下の画像のようになる。

本来のサイドバイサイド

本来の横に長いサイドバイサイド

しかし、これでは横方向の解像度が2倍になるため、放送波にのせることができない。
そのため、横方向の解像度を半分に間引いて(圧縮して)下ような形にして放送している。

テレビ放送の圧縮したサイドバイサイド

テレビ放送用の圧縮したサイドバイサイド

これにより、解像度は通常の2D画像に比べて半分になってしまうため、画質もそれに合わせて悪くなる。どれだけ悪く見えるかは、今後の3Dテレビが備えるようになるだろう補完機能などによって変わってくるが、元のデータが半分なので、ある程度の限界もある。
一方、放送波とは関係のないYouTubeなどオンラインのビデオサービスでは、解像度や圧縮方式などはソフトウェア側の問題で、簡単に対応ができる。解像度も間引く必要なく、横長のサイドバイサイド方式でデータを送信することができため、現在も3D対応モニタさえあれば画質なども問題なく3D動画が楽しめる。

テレビ放送は、同時に同じ画像を送信するには適した物だが、その仕組みは数十年に一度しか変更できない。3Dなど新しい方式へ画質も問題なく対応できるように変更することは、数年以内には不可能だろう。
2011年7月の完全デジタル移行に様々な障壁があるように、何年後に訪れるかわからない次の大きな変更でも、難しい問題が山積する事は間違いない。

しかし、YouTubeやニコニコ動画など、通信による動画再生が今以上に普及することは間違いなく、新しい動画方式の対応は放送ではなく通信が一般的になるのかもしれない。

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