2月 132010
 

新しいプラットフォームが普及するまでの道のりは険しい。
日本国内で、FAXが使われ始めたのは1980年頃からだが、家庭へ普及するまで20年近くかかった。その後、電子メールなどに駆逐されようとしているが、登場から普及までの道のりはかなり険しい。

携帯電話は、本格的に使われ始めた1990年初めから10年程度でほぼ普及したが、これも10年近くかかっている。

電子ブックリーダーは、各社が参入しようとしたがコンテンツの問題もありどこも失敗。唯一成功したのが、AmazonのKindleだ。

Kindleが登場したのは2007年。自社の強みを生かし、コンテンツが充実していたためか、それから1年半程度で読書愛好家などに売れた。
読書デバイスとしてそこそこ売れてはいるし、PCやiPhoneなどのスマートフォンで読めるアプリも提供しているが、電子ブックを本格的に売るためには、文字が読みやすいデバイスをユーザーが実際に所有している必要がある。

2009年になると、米国以外にも海外にも販売を開始し、世界各国で売れたようだが、Amazonが電子ブック市場で覇権を得るためには、デバイス自体をさらに普及させなければならない。
現在は数百万台売れたとも言われているが、英語圏の人口を考えると、少なくともその数十倍のユーザーが実際にデバイス自体を所有している必要がある。

2010年は、Amazonに続こうと、電子ブックリーダーを各社が供給し様々なサービスが始まろうとしている。
価格自体は、横並びになるので、そのデバイス自体の機能や、コンテンツのサービスなどがデバイスが売れるかどうかの焦点となる。
Amazon以外は、ePubというフォーマットを基本とし、よりオープンな市場へ参入しようとしている。Amazonはmobipocketベースの自社独自のフォーマットで、コンテンツ販売も含めて独占しようとしているようだ。

最終的にどちらが勝利するかは、デバイスの普及と、コンテンツの供給などにかかっているが、Amazonはデバイス自体を事実上無料で配布始めた。

Kindleは2万5千円程度で販売されているが、一部ユーザーに無料で使用させ、気に入ったら代金を払う。気に入らなかったら、代金を払わないでもいいし、返品もしないでもいいという制度だ。
さらに、Amazon Primeという米国で2日以内配送が無料になる制度(年間US$79)に加入している方に、Kindle自体を無料で配布することにしたようだ。

当初、一部ユーザーに限定していたが、おそらくこれは書籍を多く購入していた方にオファーしていた物と思われる。Amazon Primeは、よくAmazonで買い物をするユーザーが加入する物で、書籍の購入も比較的多いユーザーだろう。
これらの、潜在Kindleユーザーに事実上無料でデバイスを配布することで、他社を牽制する意味があるのだろう。

ユーザーがいなければ、サービスも充実しない。充実したサービスでなければユーザーが増えない。というジレンマがあるが、ユーザーを初めは赤字になっても増やすことで、サービスを充実させ、他社の端末やサービスを引き離そうというAmazonの戦略は他社にとって驚異だろう。

関連記事:

このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマーク - AmazonがKindleを無料で配布するわけ Bookmark this on Delicious Digg This
facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Sorry, the comment form is closed at this time.