デジカメ活用 HDRで普通は撮影不可能な画像を得る

デジタルカメラを使う利点の一つに、コンピュータを使った撮影後の加工があります。
ネガで撮影しても、現像するときに、やり方一つでプリント結果が変わってきますし、RAWで撮影して、自分好みに現像して楽しんでいる方も多いようです。

しかし、デジタルで撮影するなら、その利点をさらに突き進めましょう。
その一つが、今回紹介するHDR(High Dynamic Range:ハイ・ダイナミック・レンジ)もその一つです。

デジタルカメラなど、映像を撮影する機材はその性能上いくつかの限界があります。
ダイナミックレンジもその一つで、カメラで明るいところを撮影すると、明るいところばかりが撮影され、暗いところが暗くなりすぎ、暗いところを撮影すると、明るいところが飛んでしまうということがよくあります。
これは、カメラのダイナミックレンジが人間の目よりも狭いことから来る仕方のない仕様です。
このためには、逆行を避けたり、明るいところでも、暗いところが写るようにわざとストロボをたいたり、レフ板を使用したりしますが、露出設定を変えるだけでもある程度見栄えのする写真になります。

今まで、カメラ撮影の際に露出を変えたことがなかった方は、同じ被写体で、いくつか露出を変えて撮影してみてください。今までとは違った感じになっているはずです。

例えば、次のようになります。

普通に撮影した場合 (それでも-0.7ev)
これでも、それなりに撮影できていますが、露出を前後に振った場合は次のようになります。

露出を -1.7EVにした場合露出を0.3EVにした場合

こうしてみると、露出を-1.7にした場合は、空は写っているが影の部分が暗く。0.3EVのものは影の部分は良く写っているが、空が明るすぎという状態です。
この中間が、普通に撮影した場合(-0.7EVだけど)ですが、この露出を変えた物を合成したらどうなるのでしょうか?

それがHDRによる画像の統合です。
それぞれの良いところ取りをして、今回の例では、空はより空っぽく、影の部分もきっちりと見えるようにするというのがHDRで加工する利点となります。

HDRによる統合

PhotoShopで先に紹介した3つの画像を自動的に統合した結果がこれになります。
よく見ないとわからないかもしれませんが、1枚目の画像に比べて、空の部分と影の部分が変わっていることがわかります。

今回はほぼ自動的に統合しましたが、統合方法にもテクニックがあり、もっと美しく加工できる方もいます。
また、HDRで加工するには、普通に撮影するよりも、被写体選び、 露出設定などが重用になりますし、HDR加工テクニックなどそれぞれに一工夫が必要となります。

それらのテクニックを磨く前に必要なのは、カメラ自体の機能です。
ここで重用になるのが、オートブラケット機能です。メーカーによって多少名称の違いはありますが、デジタル一眼レフにはほとんどの機種に付いていますが、コンパクトデジカメは付いていない事が多いです。
このオートブラケット機能は露出設定の延長的な機能で、一般的に、撮影時に露出を自動設定する機能のことを言います。
この機能を使えば、設定した幅の露出をシャッターを押すだけで撮影できます。
通常、普通に撮影した場合、暗くした場合、明るくした場合の3回撮影します。3回撮影するので、連写速度が速いと、三脚が無くても、被写体がある程度動く物でも対応できるので便利です。

CanonのAEB設定

キヤノンの場合はAEB、ニコンはAEブラケティングという名称になっています。

これらの機能を使って撮影した画像を、PhotoShopやPhotomatixなどのソフトを使って加工することになります。

それなりに技があるようですが、FlickrなどでHDRをキーワードに検索するとものすごい画像が見つかります。
うまく撮影し、加工できれば、あなたも普通の撮影では出来ない画像を得られるようになります。

注意
ブラケット機能は露出以外にも各種設定を変更できる機能を持つカメラがあります。

まとめ
オートブラケット機能のあるカメラで、露出を変えて撮影する
撮影したデータを統合してダイナミックレンジの広い画像に加工する

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